ふるさと納税はおいしい?【となみ赤旗読者の広場】

2017年01月15日 08時20分33秒 by

ふるさと納税については、一部に被災者支援の動きや、返礼品に頼らず寄附金の使い道を全面に出して寄付を募るなどの取組がある一方で、大きな部分は返礼品目当てで行われるショッピングの様相を呈しています。その現状については、お金が都市部から地方へ巡って、地方創生に役だっているとか、自治体による返礼品の購入は地域の産業振興につながっているとか、その経済効果を挙げる声はあるものの、導入時の「ふるさとを応援する」との触れ込みとかけ離れた様に違和感を拭えません。

ふるさと納税制度について、片山善博元鳥取県知事、現慶応大学教授が、北陸中日新聞に寄せた記事を紹介します。

知人から先日そろそろ年末が近くなったので、今年分のふるさと納税を申し込むと聞かされた。来年納める税金が安くなるし、年末には山海の珍味が届く。こんな「おいしい」制度を利用しない手はないという。 総務省のホームページによると、年収七百万円の給与所得者で扶養家族が配偶者のみの人がふるさとなどの自治体に三万円寄付すると、本来その人が住所地の自治体に納めるべき住民税などが二万八千円控除される。より所得の高い人が十万円寄付すると九万八千円、二十万円なら十九万八千円がそれぞれ控除される。 たった二千円の負担で寄付できる。しかも自治体の多くが寄付を受けた額の四、五割相当の返礼品を送るので、寄付した人にとって「おいしい」のは間違いない。 寄付を受け入れる自治体にとっても、すこぶる「おいしい」はずだ。寄付額の半分程度を返礼品に充てたとしても、残りの半分は丸々もうかるからだ。 でも、世の中にそんな「おいしい」だけの話があるわけがない。先に触れたとおり、寄付した人の居住地の自治体では税の「目減り」を強いられる。寄付した人とそれを受け入れた自治体が浮かれていられるのは、この「目減り」を食いつぶしているおかげだ。また、もしこの「目減り」がなければ、多少なりとも保育所の待機児童問題が解消できるのに、ということにもなる。 導入した国は無責任 ふるさと納税は、名前通り、自分のふるさとを応援し、貢献する仕組みだとの触れ込みで導入された。ところが、やはり総務省のホームページには、ふるさと納税は、「自分の生まれた故郷だけでなく、お世話になった自治体や応援したい自治体なども対象になります」とある。縁もゆかりもなくていい。単に返礼品に目がくらんで応援したくなっても構わないのだ。 このところ全国の自治体は、この「おいしい」ふるさと納税による寄付集めに熱心だ。本来の収入として大事にしなければならない税をそっちのけにして、よその住民からの寄付集めに狂奔する自治体も少なくない。そこであれこれ知恵をしぼるのだが、いかに魅力ある返礼品をそろえるかくらいしかない。特産品の中でより魅力的な商品は何か、まずは「品ぞろえ」に知恵を出す。さらに、他の自治体より魅力度を高めようと、返礼品に充てる額を引き上げるなど、自治体の知恵比べはエスカレートする。努力が実って寄付がたくさん集まれば自治体の財政は潤う。ただ、忘れてならないのは、その寄付は本来よその自治体に入るべき住民税を奪った結果であって、そのためにせっせと知恵を出したということである。 ふるさと納税即刻廃止を 自治体もよその自治体の税を奪うためにではなく、もっとまともなことに知恵を働かせるべきではないか。まともなこととは、住民が必要とする質の高い行政サービスをいかに効率的に提供するかということである。 まるでふりこめ詐欺のように、自治体がよその自治体の税をかすめ取るようなことに狂奔している姿は見ていて嘆かわしい。しかしこんな制度がある以上、ぼやぼやしていると、よそから税をかすめ取られてしまう。自治体はやむを得ずそれに知恵を絞らざるを得ない境遇にある。自治体をこんな不毛な競争に駆り立てる仕組みを作った国は実に不見識であり、無責任だと思う。そろそろ税制改正作業が本格化する時期を迎える。来年度の税制改正では、いの一番にふるさと納税を廃止するよう提言したい。 (北陸中日新聞12月2日) 

ちなみに、

砺波のふるさと納税制度についての解説は→こちら

ふるさとチョイスというサイトでは→砺波のコーナー

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