マイナンバー制度が発足して初めての確定申告の時期になりました。
最近新聞の一面に、政府広報で「確定申告書にはマイナンバー記載・本人確認書類の提示又は写しの添付も必要。マイナンバーカードなら1枚でOK!詳しくは国税庁マイナンバー」と大きな広告が載っています。税務署から来た確定申告書在中の封筒の表には、平成28年分の確定申告書には、マイナンバーの記載+本人確認書類の提示又は写しの添付が必要ですと大書してあり、確定申告書用紙にはマイナンバーを記入する欄が新設され、申告書にマイナンバーを記入するよう促す記載があります。これでは、どうしてもマイナンバーを記入しなければと思わざるを得ない気持ちになります。
こんな状況では、私たちが確定申告する際に必ず記入するしかないのでしょうか。そんな不安の声が各方面から聞こえてきます。
番号未記載でも受理する。不利益や罰則はない
現在、全国各地でマイナンバー法に対する違憲訴訟がたたかわれていますが、マイナンバー法は本人の意思と関係なく、個人情報が丸裸にされるリスクがあり、プライバシーと財産権が侵害され憲法違反であるという国民の批判が強い法律です。全国中小業者団体連絡会(全中連)が「国税庁との交渉(2016年9月16日)では『確定申告書は番号未記載でも受理する。不利益や罰則はない』などの回答を改めて得ています。納税者一人ひとりで対応を検討しましょう。
仮に番号を記載して確定申告書を提出すると、本人確認のためにマイナンバーカード、または通知カードと運転免許証など写真付き身分証明書が必要となります。税務署では、窓口混雑などを招く要因にもなりかねません。」としています。
特別徴収個人番号利用に「待った」
また、12月15日に全商連が総務省とのヒアリングで「住民税の特別徴収額決定通知書」に従業員のマイナンバー(個人番号)を記載する方向について、個人番号の漏洩、郵便事故などによる情報流出、コスト増などの問題点を指摘しました。そのなかで、総務省は、「個人番号を『住民税の特別徴収決定通知書』に記載しないと決めた自治体にペナルティはない。地方税法上の罰則はない」と回答しました。砺波市においても特別徴収額決定通知書にマイナンバーを記載しないように申し入れしましょう。
納税者として、改めて共通認識にしたいのは①事業主が、従業員にマイナンバーの記載を強要することは、労働基準法違反になるのでできないこと。②事業主が、従業員にマイナンバーの記載を求めなくても罰則はないこと。③従業員が、マイナンバーの記載を拒否すれば記載する必要がない。ということです。