安倍内閣の高支持率の原因【となみ赤旗読者のひろば・2月12日】

2017年02月12日 06時53分35秒 by

共同通信が実施した2月の世論調査の結果を見ると、安倍内閣の支持率が59.6%となっている。この結果に対し、以前の内閣はすぐ変わって何駄目だったが、安倍首相はよくやっているという声もある一方、なんでこんな高い支持率なの?「おかしいよ」という人が多いのは何故か?を考えてみました。

ポスト真実の政治

イギリスのオックスフォード大学出版局は、2016年に注目を集めた言葉として「ポスト真実」という言葉を選んだと発表しました。「ポスト真実」の政治とは、事実に基づかない主張、つまり嘘(うそ)・偽りを繰り返すことで、人々を扇動し、うねりをつくり出す政治を示す言葉です。アメリカの大統領選挙でのトランプ氏の言動などが「ポスト真実」の見本だと言われています。

しかし「ポスト真実」の政治=嘘・偽りの政治はトランプ氏の専売特許でなく、先駆的なのは安倍首相です。例えばオリンピック招致で「(福島原発事故の汚染水の)状況は完全にコントロールされている。」、戦争法に基づく自衛隊の南スーダンの派遣先ジュバで激しい戦闘があったにもかかわらず「首都ジュバは比較的落ち着いている」、TPP批准・年金カット・カジノ法案強行採決で「わが党は結党以来、強行採決を考えたことはない」、ハワイの真珠湾で「不戦の誓いこれからも貫いてまいります」など、挙げればきりがないくらいどれもが嘘・偽りですが、それを巨大メディアが無批判に垂れ流し、国中にまき散らすことで国民の中にある幻想をつくり出していることが原因ではないかと考えられます。そういう意味では、日本の巨大メディアの責任は重大です。トランプ大統領と対決するアメリカのメディアを見習うべきではないでしょうか。

為政者と三権分立

米入国禁止を差し止め

米トランプ政権による中東・アフリカ7カ国出身者や難民の入国を禁止する大統領令をめぐり、世界的に混乱を巻き起こしていますが、ワシントン州シアトルの連邦地裁は3日、執行の暫定的差し止めを命じました。この訴訟は、ワシントン州のファーガソン司法長官が「米国憲法に反する」として起こしていたもの。差し止めは全米の入管で即日効力を持ち、7カ国すべての出身者及び難民が対象になり、現在次々と入国しています。

大統領でも憲法に違反できない

ファーガソン司法長官は3日「憲法が勝利した。大統領であっても憲法に違反することはできない。この決定は大統領令を直ちにシャットダウンするものだ」と述べ連邦政府に早期の差し止めの実行を求めました。これに対して政府は連邦控訴裁判所に地裁命令の停止を求めましたが、控訴裁判所は米司法省の訴えを退ける決定を下しました。これに対してトランプ大統領は「この判事の意見は、国から法執行を奪うものでばかげている」ツイッターで攻撃しました。

どうやら、彼は立憲主義と三権分立を理解していないようです。日本でも既に安倍首相は、戦争法の強行や辺野古基地建設の海上工事を強行していますが、トランプ氏と同じく立憲主義と三権分立を勉強すべきです。

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