労働時間の上限規制を
電通の高橋まつりさんの過労死だけでなく、日本全国で働く地方公務員にも過労死が広がっていることが明らかになりました。
日本共産党の梅村さえ子議員は、今月8日衆議院予算委員会で、地方公務員の職場で長時間労働による過労死が続いている問題について「長時間労働を抜本的に正していくためには、労働時間の上限規制を設けることがいよいよ必要だ」と政府に迫りました。
15年間で192人も過労死
予算委員会の議事録によると、地方公務員の職場ではこの15年間で、労災認定された「脳・心臓疾患」のうち119人、「精神疾患」でも73人の計192人が過労死しています。超勤時間が1カ月平均80時間を境に死亡者数が急増しています。「過労死防止法」が14年に可決されたにも関わらず、総務省が調査を始めたのが昨年末だったことに触れ、政府・総務省の対応は遅すぎると批判。高市総務大臣も「その通り」と認め調査に基づく取り組みの強化を約束しました。
一例として滋賀県庁では、一昨年、年間1000時間超の時間外勤務を行った職員が20人に上っている事例で、労働基準監督署から是正勧告がおこなわれたということですが、法令に基づき業務を行う自治体が、労基署に是正勧告を受けるという異常な事態になっています。
原因は人員の大幅削減
国は2005年以降集中改革プランを地方に押し付け、地方行革を推進する中で、この間、地方公務員は29万人もの削減が強行されてきました。
地方公務員は労働基準法第33条により災害等による臨時の必要がある場合、または公務のために臨時に必要がある場合に時間外勤務を命ずることができるとされています。
この臨時という名のもとに超勤命令が出されるけれども、自治体の現場では今、圧倒的に人が足りずに、超勤せざるを得ない実態が恒常化している。それをすべて臨時だとして超勤命令が出されている状況です。
砺波市では
砺波市は合併後の平成17年度以降100人以上の職員の削減を行っています。その結果、仕事の増大により時間内に処理できない職員は、残業をせざるを得ない状況に追い込まれ、長時間労働などにより心疾患で休職したり、退職する職員があると聞きます。今も市役所は不夜城のように煌々と明かりがついていますが、この問題の根本的解決策は、減らしすぎた職員の増員ではないでしょうか。