幼稚園児が教育勅語を暗唱
大阪府で今、問題になっている森友学園が運営する塚本幼稚園は、判断能力のない園児に教育勅語を暗唱させ、五箇条のご誓文や愛国行進曲などを教え込む〝軍国教育〟で有名です。テレビで、園児が教育勅語を暗唱しているのを見てびっくりした人が多いのではないでしょうか。しかし、教育勅語が軍国主義教育の要になった反省から、1948年国会で衆参両院がその排除と失効を決議し、戦後の公教育は、教育勅語の否定から始まったのです。塚本幼稚園の教育は、この歴史的事実を全く無視した時代錯誤の教育です。
宣誓で「安倍首相頑張れ!」
更に、この幼稚園の運動会での園児たちの宣誓の内容が「安保法制通ってよかったです。安倍首相頑張れ!」と言っていることがテレビで報道されていました。しかし、このような洗脳に近い政治教育をすることは、私学の幼稚園であっても学校の政治的活動を禁じた教育基本法に明確に違反しています。
森友学園~土地疑惑
大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」にただ同然で払い下げられていた問題は、内閣が吹っ飛んでもおかしくないスキャンダルです。この土地には今春、〝日本初の神道小学校〟をウリにした「瑞穂の國記念小學院」が開校する予定です。そして小學院の名誉校長にはファーストレディの昭恵夫人が就任(のちに辞任)、しかも、当初は「安倍晋三記念小学校」という校名にする予定で、寄付を募っていたことも分かりました。
「国有地は国民の財産です。それが、不可解な経緯で、首相に近い団体の幹部に『実質ゼロ円』で供与されていた。
北朝鮮の暗殺事件や都政の小池劇場に時間を割くが、この重大事件を取り上げが少ない。この土地問題は、掘れば掘るほど、埋蔵ゴミの量を上回る疑惑が出てくるのに、背後に日本会議の人脈があるという核心には触れたがらない。
あまりに深刻な問題だからこそ、日本会議に支えられた安倍政権に配慮して報道を控えているとしか思えません。」(政治評論家・本澤二郎氏)という指摘がある。と日刊ゲンダイ2月21日付けは報じています。
日本会議とは
元号法制化や国旗国歌法の制定、憲法改正などを目指すのが日本会議です。「少學院の籠池理事長、安倍夫妻、稲田防衛相、麻生財務相、払い下げ当時の下村文科相など登場人物はみな日本会議の関係者です。国有財産を私物化し、便宜を図ったとみられるのが当然なほど役者が揃っている。安倍政権では、大半の閣僚が日本会議の関係団体に名を連ねている。国家運営の黒幕は、戦前回帰を目指す日本会議ということになります」(本澤二郎氏=前出)
自民党で幹事長などの要職を歴任した故・加藤紘一氏は第1次安倍内閣が発足した06年、朝日新聞のインタビューで「安倍政権の背後には日本会議がある。だから安倍政権は今までの自民党政権とは異質で極めて危険だ」と指摘していました。この時から、すでに自民党は日本会議に乗っ取られていたのです。