3月31日の北日本新聞は、1面で「民意と歩む」(36回)を掲載しました。「円滑審議は諸刃の剣」と大見出しにし、野党がいない砺波市議会の実情を丁寧に紹介しています。
「当局にもの申す時に『議会全体で言うとるんやぞ』となれば影響力が増す」という今藤議長の言葉を引用していますが、実際には野党がいない議会がどうなっているかを次のように指摘しています。
砺波市議会は過去4年間、首長の提出議案を1度も否決・修正せず、予算関連の計93議案の採決で反対討論がなされたこともない。議事が滞りなく進むよう議会と行政側が水面下で交渉していたとしても有権者には見えず、チェック機能が働いたかどうかは不明。円滑審議は諸刃(もろは)の剣といえる。
つまり、市長や当局提案にみんなで「まとまって」賛成するだけの議会になっているということです。野党不在の議会では、概ねどの自治体でもこういうことになっています。
市民から寄せられた言葉をお借りすると、砺波市議会は、
「市長の言いなりの市議会」
です。
記事末尾には、
「野党」不在の砺波市議会。市議選では共産候補が1人立つ。議席を与えるかどうかは16日の投票日に民意が判断する。
とあります。野党が不在の議会に、野党議席を送り出すチャンスが、今度の市議選です。
「民意と歩む」36議会再生2017年3月31日北日本新聞から
■円滑審議は諸刃の剣 「意見調整でそんなに苦労しないので、議会として意思決定しやすい。そのメリットを生かし、当局にもの申す時に『議会全体で言うとるんやぞ』となれば影響力が増す」。砺波市議会議長、今藤久之(60)=柳瀬=は強調する。 まとまりやすさには訳がある。市議20人の前回2013年市議選時の内訳は自民推薦17人、保守系無所属2人、公明推薦1人。会派も三つあるが、議長は一人会派になる慣例のため実質的には二つ。「自民会」は自民と無所属の17人、「創生砺波」は公明と無所属の2人でつくる。 自民と公明は国政で連立を組み、選挙でも協力する。16年11月の市長選では両党が共に現職を推薦。全議員の政治的な姿勢が近いため結束しやすく、見方を変えると、民進や維新、共産、社民といった「野党」が議場にいない。 「保守が強く、協調性を重んじる土地柄だしね」と砺波市選出の県議、米原蕃(73)=中村=は語る。投票率が高いため投票総数が多く、「野党」系候補に一定の組織票があっても、当選枠内になかなか入り込めないと解説する。 米原の指摘はデータでも裏付けられる。前回13年の市議選の当落分岐点は1100票。16年7月の参院選比例代表では民進こそ8228票獲得したが、共産は1021票、社民が997票。地縁血縁が絡む市議選には単純に当てはめられないが、社共は組織票だけでは当選ラインに届かない。 首長と議員が別々の選挙で選ばれ、対等な立場で競い合うのが二元代表制の本来の姿だ。その意味では、今藤が言うように、すぐに意思統一できる議会の方が首長に対抗する力を発揮しやすい。しかし、デメリットもある。 今藤は「一般論だが」と前置きした上で、「さまざまな方面から見た多様な意見が出にくく、議論も深まりにくい。審議がスムーズに進むのは長所でもあり短所でもあり、緊張感が乏しくなる面もあると思う」と指摘する。 砺波市議会は過去4年間、首長の提出議案を1度も否決・修正せず、予算関連の計93議案の採決で反対討論がなされたこともない。議事が滞りなく進むよう議会と行政側が水面下で交渉していたとしても有権者には見えず、チェック機能が働いたかどうかは不明。円滑審議は諸刃(もろは)の剣といえる。 例えば富山市議会。政務活動費を不正請求した自民議員に対し、共産の4人が辞職勧告決議案を提出した。議会内は対決ムードが漂い、16日の本会議で賛成、反対の討論が行われた結果、自民などの反対多数で否決された。砺波であれば否決はもちろん議案自体が出なかった可能性は否定できない。 「日本一小さい村」の舟橋村で15年にあった村議選が注目を集めた。記録が確認できる1947年以降で初めて共産が議席を獲得したからだ。「開かれた議会」に向けて共産村議は2016年12月の本会議で、議会のインターネット配信を提案。前向きな答弁を引き出し、実現の運びとなった。 議長の明和善一郎(69)=海老江=は「論戦が活発化し、緊張感が出てきた」と語る。一方、これまで自民党国会議員への村の事業の陳情は全議員で行ってきたが、共産村議に「党の中でやってほしい」と断られたといい、「一枚岩になれない面もある」と明かす。 「野党」不在の砺波市議会。市議選では共産候補が1人立つ。議席を与えるかどうかは16日の投票日に民意が判断する。(敬称略)
選挙の手伝いをしたい時は、如何したら良いのかな? 出来ないかもしれないけど