5月5日 トラックが無い!
早稲の田の代掻きをしていました。田んぼのあぜ際でトラクターをリターンさせて農道側に向かおうとすると、軽トラックがこちらの田んぼに近づいて来るのちが見えます。どうも妻が運転しているようです。何か用事でもあるのか、それともたまたまこちらを通りかかる用事があったのか、様子をうかがっていたのですが、田んぼに近づくとスピードが落ちてきたので私に用事があるらしいと分かりました。
私に向かって何やら手招きをしているようです。気を利かしてコーヒーの缶でも差し入れてくれるのかなと思いましたが、それにしては手の降り方が激しいような気もします。何だろうなと思いながらも、慌てて車に近づくと、ちゃんと代を掻けなくなるので、そのままゆっくりと近づきました。妻はさぞもどかしかったろうと思います。
エンジンの回転を落としてキャビンのドアを開けると「トラック無いが!誰かに貸す約束でもしたったがけ?おじいちゃんも見当たらんがいぜ」と切迫したような声です。認知症が進んで、自宅に居ながら「家に帰る」と度々言うようになった父が、トラックに乗って徘徊しているのではないかというのです。
一瞬途方にくれました。道路の網の目からどうやって探し出すのか?しかも相手は移動手段を持っているのです。とにかく立ち寄りそうな場所を当たってみよう。妻らと私が二組に分かれて車を走らせましたが、一時間も経たないうちに携帯に連絡が入ってきました。
止まったトラックの中の運転手の様子が妙だからと、自動車やさんに連絡してくれた人がいたのです。車検証でも見ていただいたのでしょうか。知らされた場所で無事に保護することができて良かったのですが、そうでない展開だったらと思うとぞっとします。知らせていただいた方、対応していただいた自動車屋さんに本当に感謝です。
正しく把握してしっかり対応しなければならないのでした。