あなたも監視の対象に?こんなに危険!!「共謀罪」
政府は、東京オリンピック・パラリンピックの開催にかこつけて、「テロ対策のため」と繰り返しながら、「共謀罪」の創設を強行しようとしています。その中身をご存知ですか?
Q.「共謀罪」ってどんな内容?
A.「脱税」など懲役4年以上の277の犯罪に該当する行為について、2人以上で話し合い、計画することを罰するものです。実行を思いとどまっても処罰されます。電話やメール、LINEなどでのやり取り、Face-bookやTwitterに「いいね」しただけでも話し合いに加わり、合意したとみなされます。
Q.そんなこと、どうやって調べるの?
A.2016年に盗聴捜査が拡大されました。(通信傍受法)。「盗聴」「密告の奨励」などで警察が常に監視するのです。
Q.でも、一般市民には関係ないでしょ?
A.政府は「組織犯罪集団を取り締まる」と言っていますが、2人以上を「組織」と説明しています。「だれが組織犯罪集団か」を決めるのは警察です。
ご注意! 国民をごまかす政府の説明
「テロ対策」のウソ
政府は「テロ等準備罪」と呼んでいますが、法律の目的にテロ対策の文字はありません。
“「国際組織犯罪防止条約」(国際条約)を批准するため”のウソ
「国際組織犯罪防止条約」はマフィアや暴力団を取り締まるもので、テロとは無関係です。すでに日本は、テロを防止するための13条約を結び、法律も準備しています。
「警察が誰かを取り締まりたいときに、277の犯罪からどれかを選んで使うための法律では」(作家・中嶋京子さん4/7日本ペンクラブの集会で) |
※こんなことが監視・処罰の対象に?
税金高くない? いい節税方法ないかな? 本でも買って勉強するか
などの「節税の相談」➡「脱税の相談」
ほかにも例えば・・・
キノコ採りの計画」➡「森林法違反の共謀」
「高層マンション建設反対の集まり」➡「組織的威力業務妨害の共謀」
メディア人共謀罪に「大反対」
「共謀罪」法案の危険性と廃案を訴えようと、メディアで活動するジャーナリストや作家らが27日、国会内で記者会見を開き「私たちは『共謀罪』法案に大反対です」と題した声明文を発表しました。会見には呼びかけ人32人のうち14人が出席し、「言論の自由、表現の自由、報道の自由を著しく破壊する『共謀罪』の新設に、私たちは強く、深く、反対します」と訴えました。
毎日新聞編集委員の岸井成格氏は「国会審議を聞けば聞くほど、法案はテロ対策と無縁だ」、漫画家の小林よしのり氏は薬害エイズ訴訟を支えた経験から、「ものを言わぬ市民が、被害を受けてたたかう〝ものを言う市民〟に変われば通信傍受される対象となる。権力の被害者になる人たちをどう救うかを考えないと、民主主義は健全に機能しない」と述べました。ジャーナリストの田原総一郎氏は「戦争を知る最後の世代として、治安維持法を思い出す。体を張って反対しなければならない」と訴え。ジャーナリストの鳥越俊太郎氏も「戦前、作家の小林多喜二は、犯罪行為をしていないのに治安維持法で拘留され、拷問でなくなった。共謀罪は戦後最悪の国民に対する挑戦だ」と語りました。
(しんぶん赤旗2017年4月28日)