去る3月5日、「非正規職員の処遇改善について」をテーマに一般質問を行いました。通告内容と答弁については下記をご覧ください。
(質問の趣旨) 改正労働契約法に基づき、有期雇用労働者が通算5年以上同じ会社で働いた場合に、本人が申し込めば無期雇用に転換できるルールが本年4月からスタートします。厚生労働省によると、有期契約の労働者は全国で約1,500万人に上り、そのうちの3割にあたる400万人以上が5年以上同一企業で働いており、ルールが適用されれば無期雇用への道が開かれます。 しかし、地方公務員については当該ルールが適用外となっており、不安定な非正規雇用の拡大に歯止めがかからない状況です。 先の第193回通常国会では、地方公務員法及び地方自治法の改正法が成立し、2020年4月1日より施行されますが、法の中身は非正規職員と正規職員との処遇格差について、抜本的な改善策になっているとは言い難い面があると考えます。 町民が安心して音更町に暮らし続けるためには、質の保たれた安定的な公務サービスを提供し続けることが大前提です。そうした体制には今や不可欠な存在である非正規職員の処遇改善を求めて、以下の点について伺います。
1、2020年施行の地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い、本町として今後どのような整備を行うのか。
【答弁】改正法の内容については、新たに会計年度任用職員制度を創設し、地方公共団体によって任用や勤務条件等の取扱いが異なっていた一般職の非常勤職員について、これらを統一するとともに、特別職非常勤職員及び臨時的任用職員についても任用要件を厳格化することとしている。また、会計年度任用職員の処遇等については正規職員に準じた制度設計とすることが求められている。 本町においても、国が示しているマニュアルに基づき、30年度に勤務条件、賃金、手当、休暇等の制度設計を行い、31年度には関係条例等の整備を行うとともに職員を募集し、32年4月から新制度のもと、任用していきたい。
2、音更町の非正規職員の数と、正規職員を含めた職員総数における非正規職員の占める割合は。
【答弁】非正規職員が166名、正規職員が276名で、非正規職員の占める割合は37.6%。
3、非正規職員の割合の増大が、公務サービスの質に与える影響についての町の認識は。
【答弁】業務によっては臨時職員が直接町民に対応する場合もあるが、あくまで上司の指示の下に、正規職員と連携して業務に当たるものであり、公務サービスの質の低下を招くことはないものと考えている。
4、臨時職員採用時の要件は。
【答弁】本町の非正規職員については、地方公務員法第3条第3項第3号に規定する特別職非常勤職員と、同法第22条に規定する臨時的任用職員として任用している。このうち、臨時的任用職員の任期については、同法第22条で最長1年以内と規定されているが、任期終了後、再度任用することは可能であり、本人の希望があれば、面接試験を経て、更に任用している。 非正規職員の通算任用期間の上限を、専門的な知識や経験を必要とする職で5年、その他の職で3年としている。ただし、募集しても応募者がいないなど例外的な措置として、通算で5年を超える非正規職員を任用している場合もある。
5、在職期間5年を超える非正規職員は、民間労働者と等しく、無期雇用および長期雇用への転換を積極的に推進すべきと考えるが見解について伺う。
【答弁】地方公務員はその任用について労働契約法ではなく、地方公務員法の適用を受けることになる。地方公務員法では同様の改正は行われていないことから、対応が異なるのでご理解をいただきたい。
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音更町では、平成17年度から「財政健全化5カ年計画」を実行する中で正規職員数を削減し、多忙化する業務量を非正規職員の採用によってカバーしてきました。そのことが、現在4割近くに達する非正規職員を抱える状況につながっていると言えます。 再質問の中では、非正規職員のほとんどが年収200万円以下の「官製ワーキングプア」であることも明らかになっています。 民間労働者が「無期転換ルール」適用により正規化への道が開かれていく今、法的根拠が異なるとはいえ、実情に見合った待遇かどうかを見直す時期にきているのではないでしょうか。 不安的雇用から安定雇用へ、今後も改善を求めていきます。