視察の後半は、2015年に完成し、同年4月に供用を開始した「合同納骨塚」です。こちらは現地視察ということで、帯広市中島霊園を訪ねました。
「合同納骨塚」とは、共同埋葬するタイプのお墓で、「合葬塚」「合葬墓」などさまざまな呼び名がありますが、近年急速にニーズが高まっています。承継者がいない、子どもに迷惑をかけたくない、身寄りがないなどの状況でお墓の管理・所有についての考え方も多様化しつつあるようです。 宗教法人では永大供養墓として設けられているものもありますが、自治体が管理・運営している霊園に、建設する動きが目立ち始めているのです。
市の担当職員に案内してもらい、霊園内の最も東に位置する「柏2地区」へ。 草原のようなスペースの真ん中に、面積43.2㎡(進入路含む)の合同納骨塚が佇んでいました。
説明によると、このうち納骨室の面積は8.10㎥で、2,000体が収蔵可能とのことです。
使用条件として、「帯広市に居住し、埋蔵する故人の焼骨を持つ人」とありますが、その他にも「帯広市以外に居住し、帯広市に居住したことがある故人の焼骨を持つ人」とあります。
実際、市外からの問い合わせも非常に多く、利用状況は2015年~2017年の3年間で合計500件ですが、そのうちの67件が市民以外ということです。
とてもシンプルな外観です。
←こちらは納骨投入口です。
音更町でもニーズは高まりつつあります。私自身、直接町民からの要望・相談が寄せられていたことから、2014年12月の定例会で一般質問に取り上げて建設するよう求めてきました。
地域合意、住民合意などさまざまな課題が山積していますが、お墓の承継の問題、諸費用の問題等で悩む方々の要求は切実です。
福祉の視点で、多様化する町民ニーズを把握し、ひとりひとりに寄り添った霊園のあり方について議論の場が必要だと改めて感じました。