音更町議会の平成30年度第4回定例会が10日に開会し、私は13日に一般質問を行いました。
今回のテーマは「地域包括支援センターの民営化と公的責任について」
【質問の趣旨】
本年8月に開かれた民生常任委員会で、これまで本町が直営1カ所で運営してきた地域包括支援センター(以下「支援センター」)を、3カ所の圏域ごとに設置し、それぞれを民間委託するという方針が示された。 (中略)高齢化率が上昇している中にあって、支援センター設置数が増加することにより、本来的な機能の充実が図られるものとの期待もある。しかしながら、支援センターの複雑多岐にわたる業務内容を考慮すると、量的に充実すること=サービスの充実とは単純にいかない面もあると考える。町民がどの地域に暮らしていても、いつでも安心して利用できる支援センターであるために、公的責任が後退しないことを求めて伺う。
●民間委託によって懸念される事案と、委託する主な業務内容について
(答弁)民間事業者に委託を予定している主な業務内容は、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援の3業務となっている。委託後においても、民間事業者との定期的な連絡会議を通じて高齢者からの相談内容等の共有化を図り、官民協働で高齢者の実態を把握し、課題の解決に努めるほか、虐待などの処遇困難な事例については、町が直接対応するなど、円滑に業務が遂行できるよう配慮していきたい。
●直営支援センターの見解について
(答弁)支援センターを町内3カ所の民間事業者により運営しようと考えているが、直営の基幹センターを存続することは、センター間の連絡調整や後方支援・指導など一定の役割を担うことから、そうした機能の重要性は認識しており、担当部署でも検討したところ。 現在進めている地域包括ケアシステムの構築においては、町内の社会福祉法人や医療法人などとの連携が必須だが、その中には支援センターとして委託が可能な事業所も含まれている。そうした事業所が支援センターとして機能することで、日常的に高齢者との関係性を有することの意味は大きいと考えている。本町としては、委託後においては基幹センターの機能に準じた形で、高齢者福祉課内に保健師や社会福祉士の専門職を配置して、各支援センターと連携をとりながら、しっかりと行政としての役割を果たし、高齢者の生活を支援する考えでいる。
音更町は平成28年度から新総合事業がスタートしています。このことにより、支援センターの業務は一挙に2倍になったにもかかわらず、それ以前と変わらぬ職員体制で事業を行ってきたことが、ある意味限界に達してしまったという感があります。行政の人事ローテーション等、専門職の確保が難しいということも理由の1つとして言われましたが、一方で全国的な傾向として、地域包括支援センター職員の離職率は高い状況にあり、民営化後に安定した体制でサービス提供できるのか疑問も残ります。
町が示している今後のスケジュールは、平成31年度に公募・選定、そして平成32年度から運営委託スタート となっています。地域包括ケアシステムの総合的な進捗状況と併せて、支援センターの今後の動きも注視していきます。