砺波市下水道整備基本計画について今後の在り方を考える検討委員会は、現計画を見直して公共下水道の未整備地域の一部に、合併浄化槽の整備を進める方針をまとめました。浄化槽の維持管理費を補助する新たな制度などを提案した意見書を夏野市長に提出する予定です。検討委員会は、学識経験者と未整備地域の代表19人で構成され、未整備地域は出町(神島、鷹栖出、)五鹿屋、東野尻、鷹栖、若林、林、高波、種田などの地区の一部で、現在の計画では公共下水道を整備する方針になっていました。
しかし、人口減少や空き家の増加が予想され、下水道使用料は2025年ごろをピークに徐々に減収が見込まれている。今後の財政運営を考慮すると、整備事業費は年間3~5億円で、未整備地域全てを整備した場合、全体事業費は150億円となり、約30~50年の期間が必要となる試算を示しています。
未整備地域では合併浄化槽の設置世帯が50%近くあり、合併浄化槽の維持管理費の一部を補助している他市の事例も上げています。
県内の浄化槽維持管理補助制度
黒部市と小矢部市では、公共下水道整備が見込めない地域において、合併処理浄化槽の適正な維持管理を推進し、公共用水域の水質保全を図るため、適切に維持管理(法定検査、保守点検、清掃)されている合併処理浄化槽に対して、維持管理経費の一部を補助しています。
区分 | 小矢部市 | 黒部市 |
5人槽 | 23,000円/年 | 24,000円/年 |
7人槽 | 24,000円/年 | 27,000円/年 |
10人槽 | 27,000円/年 | 36,000円/年 |
(砺波市下水道計画検討委員会資料より抜粋)
日本共産党は、以前から砺波市の散居村には早くで安い合併浄化槽の整備が必要であると政策提起してきました。議会でも議論の結果、安念市長の時に現在の未整備地域については、合併浄化槽で整備する計画となりました。しかし、上田市長時代、強引に下水道計画の見直しを行い、富山県が中止していた二期幹線計画の復活を要望するなどして、公共下水道を整備する現在の計画に変更したものです。しかし、市民の中には合併浄化槽に対する要望は強く、昨年の議会で境きんご議員が、改めて下水道未整備地域について、合併浄化槽による整備を提起したところ、砺波市としても見直しを行っているという答弁がありました。現に報告では、未整備地域の50%の世帯が既に合併浄化槽を設置しているということは、合併浄化槽の必要性と有効性を物語っています。
早くて安い経費で設置できる合併浄化槽を基本にした下水道計画が望まれます。