境きんご 昨年の12月17日、国連総会で「小農民と農村で働く人々の権利に関する宣言」が採択されました。宣言は、農民をはじめ農村で働く者が農林漁業や関連産業などで生活することを権利とし、その保障や支援は国や国際機関の責務と位置付けている点で画期的です。これまで続けられたグローバル企業による新自由主義的な農業政策を見直し、小規模生産者を再評価して振興していく世界の流れに沿った動きです。
全28条の中には、(1)食料・農業政策を自ら決める食料主権、(2)種子に対する権利(自家採種の種子を利用、交換、販売する権利、十分な質と量の種子を適切な時期に手ごろな価格で利用する権利)、(3)土地、天然資源、生産手段に対する権利、(4)適切な所得を得る権利、生活を保障する価格で生産物を販売する権利、(5)農村女性の権利、(6)労働組合や協同組合の奨励などが含まれます
各国は今後、宣言を実現する施策を国内で実行することが求められます。今年から始まる国連「家族農業の10年」とあわせ、危機的状況にある農山漁村を再生する力になることが期待されます。
6月議会で市長は、私の国際家族農業年の提起が、砺波の現状に直接当てはまるものではないと言われましたが、そうではないと思います。離農が進み地域の存続も危ぶまれるような事態は、砺波市も例外でなく日本農業新聞の昨年12月18日付の「論説」ではこの宣言について歓迎のコメントを掲載し、その中で「FAOが、家族農業こそ持続可能な食糧生産の担い手、これは普遍的な課題である。JA全中会長も「地域に根付いた家族農業は重要であり、地方創世の観点からも大切だ」と評価している。家族農業の振興策を食糧・農業・農村基本計画の見直し論議に反映させ、具体的施策に落とし込むことが求められる。」と述べています。
砺波市として家族農業の振興策を具体化することが求められていると思いますが考えを伺います。
夏野市長 本市の農業が持続的・安定的に発展していくために、今後とも、大規模経営体や家族経営、地域ぐるみの集落営農など多様な担い手による地域営農体制の構築に取り組んでいきます。