東京で電車の乗り場を訊ねられて大変驚いた、という話です。
議員研修会の案内があったので出かけたのですが、もとより東京は詳しくありません、というかまるで分りません。地名を言うと「地下鉄丸ノ内線に乗り換えて、五つ目の駅だよ」みたいに日常で利用しているかのように説明できる人がいますが信じられません。
新幹線で東京駅まで運んでもらい、あとはとにかく会場近くの駅にたどり着くのに必死です。事前に調べた駅名と、そこに至るための路線の名前を手掛かりに、駅内の看板表示をにらみながら歩きます。見たことのある風景はありませんから意味のある視覚情報は矢印とその隣に書いてある線路や駅名のみです。矢印通りに歩いたつもりなのにお土産屋さんに突き当たってその先が無い!戻ってもう一度表示を見直す、みたいなことも何度かあるので、その目線といい振る舞いといい、毎日通勤している人とは明らかに違っているはずです。
なのにです。講義を終えて会場から御茶ノ水駅にたどり着き、「多分ここに入ってくる次の電車に乗れば東京駅に向かうはず」と待っていると、後ろから肩をたたかれ「東京駅はどこから乗ればよいのでしょうか?」と訊ねられてしまいました。わたしと同じ年頃の男性でした。「は~、私も詳しくないですが、多分これに乗れば行くんじゃないでしょうか」と応えると、切符を見せて「快速でも大丈夫ですかね?」とさらに訊かれます。「さ~、多分大丈夫じゃないでしょうか・・・」と自信無げに応じると、男性も不安げな表情のままでした。他のだれかに訊ねるという事も無く一緒の電車に乗り込んでこられましたが、無事東京駅に着くと「ありがとうございました」とお礼を言われてしまいました。ほっ・・
しかしそれも束の間、東京駅で新幹線乗り場の表示を見つけて「北陸は~?」ときょろきょろしていると、四・五人の女性達に囲まれていました。そのうちの一人が切符を差し出して話しかけてこられますが?!日本語ではありません。
なぜ私は話しかけられているのか?確信はありませんが、切符を見るようにとさかんに要求しておられるので「東京→京都」の乗り場を教えて欲しいという事なのかなと解釈しました。それで東海道新幹線の表示を指さしましたが彼女達に変化がありません。「改札近くまで同行するしかないのか」と再解釈して歩き始めるとぞろぞろと付いて来られます。改札が見えるところまで行くと彼女たちの足は急に速くなって、会釈をしながら私を追い越していかれました。ほ~~っ・・・