今日はホワイトデーだったかな、と素麺作業に取りかかりながら気になっていました。一か月前には「義務」がかっていたのかもしれない「義理」チョコを四包みももらっているのです。素麺シーズンなのに確定申告やら議会対策やらで目が回っていた、なんて言い訳で「お返し」の免除、もしくは延期を申し入れるのはどうもうまくないなとは思うけれど、さりとて三〇代の娘たちと六〇代の妻にそれぞれ喜ばれるものとは何だろう?日常で買ったりはしないおしゃれな小物、美味しいお菓子、いろいろ思い浮かべてみてもピンと来ません。
花束というのはどうだろうかと思いつきましたが、でも、花瓶に移したりするの、面倒がられるかなとも考えたり・・・
そのうち考えていたのも忘れて「かけば」という作業を妻とする工程に入りました。ガチャガチャと大変うるさい作業ですが、うるさくなる直前の準備段階で妻が話しかけてきました。「農水大臣が花を買ってくださいと言っとるよ」「新型コロナで自粛ばっかり言うもんやから、花が売れんで農家が困ってるんだって」「花やったら喜ぶと思うわ」
なんとホワイトデーのお返しの話でした。何にしようかと迷っているだろうな、とお見通しだったようです。さっそく素麺作業が片付いてから花屋さんを訪ねて四束の注文をしました。ホワイトデーのお返しだと言うと、店主さんは「もてる男はつらいですね」などと冗談を言いながら、三月は卒業式やら何やらで稼ぎ時なのに、今年はウイルスの影響で本当に静か、困っているとの事でした。
代金を払って帰ろうとすると「ありがとうございました、救われました」と、ちょっと大げさなお礼をされましたが、思わず出てくる言葉だったのでしょう。せめて収束のめどが立ってくれないと不安な日々が続いていくな、と他人ごとではなく感じました。