8月議会報告(6)異様な監視社会を招く補正予算に対する反対討論

2020年10月01日 00時01分00秒 by

8月議会へ提出された補正予算に対する反対討論を行いました。

境きんご この補正予算(6号)に反対する理由は、マイナンバー制度の促進施策が含まれているからです。

政府は特典を付与したり、様々な行政サービスの利便性を強調し、国民をマイナンバー制度に誘導しようしていますが、カードの取得率は伸びていません。国民の要望からではなく、個人情報を一元的に管理しようとする行政の思惑から進められたこの制度に、これ以上莫大な税金を投入すべきではないと考えます。

昨年の12月議会で指摘したとおり、個人情報分野での「安全神話」は、取り返しのつかない事態を招くことは、福島の事故が教えたとおりです。

中国の異様な監視社会の実態

さらにこの制度が私たちをどんな社会に導こうとしているのか。

中国の杭州市は、IT大企業アリババの本拠地で、街全体のIT化が一番進んでおり、監視カメラとAIを活用した交通渋滞対策や、顔認証でのキャッシュレス支払いが行われ、町中に監視カメラが数千台も設置してあるそうです。

また中国では信用スコアの活用が進んでいて、AIが様々なデータから個人の信用度を分析して点数をつけるのがスコアです。学歴、職業、年収、預金等の資産や消費行動などがスコアに反映され、ボランティア活動に参加すると点数が上がり、交通事故やごみのポイ捨てを行うと減点になる。スコアの高さが融資や就職の可否、結婚相手の選定にまで影響するという、異様な監視社会に向かっているとの事です。

スーパーシティ中国がお手本

5月27日、新型コロナ禍の最中にスーパーシティー法が成立しました。スーパーシティーでは、遠隔医療や遠隔教育が当たり前で、車は自動運転が基本、電車も顔パスで乗車できます。街中での買い物も顔認証のキャッシュレスで、ドローンが物資を運び、ごみ収集はロボットが行うというものですが、このスーパーシティー構想のお手本が中国の杭州市です。昨年の8月30日、日本政府と中国政府との間で、スーパーシティー構想で技術連携していくとの覚書が交わされているのです。

コロナ後の社会でのデジタル化という事が盛んに言われていますが、利便性を追求するほど、個人情報の一元的な管理と利用という方向に向かいます。しかも情報を管理運営するのは民間企業です。マイナンバー制度はこの流れと別ではないと考えます。

マイナンバー制度を、行政の執行に根付かせ、市民生活に広く浸透させようとする施策には賛成できません。以上で反対討論を終わります。

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