食育推進計画(第4次)案への意見 パブリックコメント

2021年01月29日 12時50分53秒 by

1月28日締め切りのパブリックコメント、食育推進計画について意見を出しました。
 肥満体の私にとって耳が痛い言葉がたくさん出てくる計画案です。まず反省。なかなか目標が達成できない一市民です。
 そのうえで、コロナ禍゚のもと、食の貧困ではなく貧困により食も満足にとれない人々が少なくない現実にこそ切り込む計画が必要ではないでしょうか。子ども食堂やフードバンクの利用実態から行政が何を学び、何をするのかが問われています。
 市民の意識の変化も大切ですが、行政が何をやるのか、はっきりさせる計画に。コロナへの対応も同じですね。啓発だけなら広告業界に任せた方がいいかも、公の仕事はなにか、あらためて考えさせられた計画案でした。


名古屋市食育推進計画(第4次)案についての意見
 計画案に目を通しながら、自分自身の食生活や体重管理を振り返り、このままではいけない、と強く反省させられました。市の食育推進計画を他人事でなく自分の実践課題として受け止めたい。そのことを前提に意見を述べます。
1) 現状と評価、数値目標について 市民啓発よりも市の施策中心の計画に
 たいへん厳しい現状と評価です。第3次計画の数値目標の達成状況は13項目中7項目で現状値が5年前との比較で後退し、改善された6項目でも目標値に達した項目は皆無です。しかし「現状と評価」では「市民の食への関心は高いものの、健全な食生活の実践にまでは至っていない人も依然として多い」とあるだけ、「特に若い世代において・・・課題が見受けられる」との指摘はありますが、掲げた目標と現状とのギャップの要因、その背景に何があるか、総括する記述が見当たりません。そして次期計画でも同じ項目と数値目標が掲げられています。それで良いのでしょうか。
 数値目標の項目はどれもが「○○ている市民の割合」となっています。市民の食生活習慣を変えようとする目標は大切ですが、これでは展開する施策の多くが「啓発」活動になり、市の施策が見えてきません。名古屋市として市民の食生活改善につながる施策こそ計画で示し、市民への啓発計画ではなく、市の施策実施計画を中心に据えるべきです。
2) 朝食の実態調査を 保育園・小中学校の給食無料化を
 朝食を毎日食べている子どもたちの割合が低下しています。保育・教育現場での実践、保護者への啓発も大切ですが、「朝食がつくれない、食べられない」背景を探ることが必要です。朝食に関する大規模な調査を計画期間ごとに行うことを求めます。市として保護者の経済的負担を軽減し、少しでも生活に余裕をもてるようにする施策を行い、あわせて社会全体で応援してるよ、と保護者を励ますメッセージをおくりましょう。そのために、給食無料化がいちばんシンプルで効果的な施策ではないでしょうか。
3) 子ども食堂から学び、貧困対策を計画の柱に
 「福祉の視点による食育の推進」が位置づけられていますが、どれも「継続」です。食生活が貧困なのでなく、生活の貧困から毎日3食を満足にとれない市民が増えています。民間団体が行っている食料支援の取り組みが市民の食と命を支える命綱になっています。コロナ禍でバイトもできない学生への食料支援も活発です。街頭での炊き出し活動も続いています。
子ども食堂の広がりに象徴されるこうした状況を踏まえ、食育の前提である安心して誰もが三食とれるように、貧困問題の解決を計画でも展開すべきです。
3)コロナ禍での「新しい生活様式」に対応した記述をもっと
 コロナ禍での「新しい生活様式」と「食を通じたコミニュケーション」との矛盾が気になります。楽しくおしゃべりしながら食事をとることの大切さはその通りですが、現状を踏まえて、発信するメッセージは、残念ながら「黙食」のすすめになるのでしょうか。外食、中食、内食の位置づけなど、コロナ禍での食育について、もう少し詳しく展開して記述してください。
4)災害時の食の備え 避難所でも温かい食を提供することを目標に
 災害時の避難所でも、清潔で栄養バランスが取れた温かい食事を提供する、ことを目標に掲げてください。そのためにキッチンカー業界との協力を進めることやコロナ禍で始まったテイクアウトの取り組みを災害時にも活用することなど、市民・事業者と連携して、備蓄ばかりに頼らない災害時の食について検討研究を進めてください。取り組むべき課題として一項目おこすだけの価値があると思います。

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