1月25日、DV被害者支援の第4次基本計画案のパブリック・コメント締め切り日に意見を出しました。
生活相談の実感から考えているメンタル面の初期対応のこと、福祉制度への注文、性暴力被害への対応強化などです。
男女平等参画基本計画のパブコメと同時期に出てきており、性暴力被害への対応は両方にコメントすべきかもしれません。
ところでこちらの所管は子ども青少年局、男女平等は総務局の所管、性暴力被害対応は都道府県の所管、それぞれがんばっていますが、しっかり連携してね!と言いたくなります。
名古屋市配偶者からの暴力防止及び被害者支援基本計画(第4次)案への意見
1)精神障害等をもつ被害者からの相談に対応できる初期対応の充実を求める。
DV被害者が双極性障害や統合失調症やなどの精神障害を抱えているケースが少なくない。PTSD等の障害や精神的に不安定な状態の方への支援は、目標5に「被害者等のこころのケアの充実」として記載されており、また目標7には「障害のある被害者への支援に関する事業」の記載もある。しかしいずれも、男女平等参画推進センター、精神保健センター、障害者虐待相談センターなど専門機関での対応が中心にみえる。大切なのは、最初に相談を受ける区役所、社会福祉事務所などでの職員の対応である。
初期対応にあたる職員が、精神障害(メンタルヘルスも)への理解と対応スキルを身につけ、被害者に寄り添ってほしい。専門機関につなぐ前段での対応能力向上が鍵である。目標9には「支援者のスキルアップ」が位置づけられているが、精神障害への理解を深める研修を必須にしていただきたい。
相談業務全体に言えることだが、相談者の多くが何らかのとくに精神的な障害を抱えながら相談に来ることを踏まえ、支援メニューの紹介だけの窓口対応にとどまらないようにしていただきたい。
2)自立支援の充実のために、知られたくない権利を尊重した制度に改善を
DV被害者の多くが親族や元夫との関係で苦しんでいる。自立支援のメニューは少なくないが、母子寡婦福祉資金の利用等で保証人が必要とされることや、生活保護制度の利用に際して親族への扶養照会が行われることなどが、親族や元夫に知られたくない被害者にとり制度利用の大きな障害となっている。知られたくない権利を守れるよう各制度の改善を強く働きかけていただきたい。
3)「デートDV」防止のためにもジェンダー平等への取り組みを強く求める
「同意のない性交は犯罪」「セクハラを含むハラスメントは法律で禁止」などジェンダー平等をめざす国際社会の潮流は明白である。デートDV防止の教育や啓発には、ジェンダー平等の視点を踏まえることでより効果が期待できる。国の法改正は遅れているが世界の流れこそ若者に伝えていくべきである。
あわせて「性暴力救援センター日赤なごや なごみ」の周知を強く求める。
性暴力被害者の救済は都道府県の仕事だからか、DV被害者支援基本計画にも男女平等参画基本計画にも「性暴力被害の救済」が位置づいていない。愛知県まかせにせず、必要な連携と支援を行うことを計画に位置づけていただきたい。DVの予防のためにも社会のありように広く目を向けて取り組むことを望む。