3月議会報告(5)気候非常事態宣言と温暖化対策の計画策定を

2021年03月21日 00時05分13秒 by

3月9日 砺波市議会で次のように質問しました。(その5)

境きんご 気候非常事態宣言と温暖化対策の計画をぜひつくるように求めます。

 砺波市には、平成26年度から平成35年度、すなわち2023年度までを計画年度とする砺波市環境基本計画があり、自然や散居景観の保全、資源循環型社会の構築など5つの基本目標を定めて、市民や事業者と市が連携して取り組む行動計画が示してあります。

 私は、この計画に地球温暖化対策の個別計画と位置づけた市の温暖化対策の作成を提案したいと思います。というのも、温暖化によって環境が激変し、住み続けることのできない地球環境になるのではとの切迫した危機感から、速やかな対策を呼びかけ、計画して実行する運動が世界的に広がっていますが、砺波市もこの流れに合流すべきだと考えるからです。

 国際社会では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次報告も踏まえて2015年12月にパリ協定が締結され、世界のほとんどの国をカバーする2020年度以降の本格的な温室効果ガス削減のための枠組みがつくられました。

 産業革命前と比較して気温が2℃以上上昇すれば、異常気象、海氷システムへの高いリスク、熱帯感染症の拡大、農産物の生産の減少など、深刻な被害が生じる可能性が高まることから、気温上昇を2℃を十分下回る水準に抑制し、できれば1.5℃未満にするという目標が制定されました。

 そして、2018年には「IPCC1.5℃特別報告書」が出され、気温上昇を1.5℃未満に抑えられれば、2℃上昇に比べて多くの点で被害を小さく抑えられそうだが、このままの趨勢で推移するならば、2030年にも1.5℃を突破しそうなことが定量的に示されました。これにより、1.5℃未満を目標にするということが国際社会の大きな流れになりました。

 この流れを受け、東京大学名誉教授の山本良一氏は、昨年3月にノーベル賞受賞者を含む産学等の幅広い分野の316名の賛同者と共に、全国の自治体首長に対して気候非常事態を宣言して、行動計画の立案実施を求める請願を発表されています。

 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんは、「皆さんの家が火事で燃えているかのように行動してほしい」と温暖化対策に取り組むことを呼びかけましたが、山本氏は、「気候非常事態宣言は火事だと警報するのに相当する。気候危機によって地球はもう壊れ始めており、地球には脱出口はないのだ」と述べておられます。「速やかな地球上の全員による消火活動が必要だ」と訴えておられます。

 残念ながら、日本政府はこういった世界の流れに後れを取ってきたと言わざるを得ませんが、菅総理は昨年10月、2050年までのゼロカーボン宣言を行いました。

 富山県では昨年3月に新とやま温暖化ストップ計画を発表していますが、国のゼロ宣言以前のものであり、新基準の下で新たな内容に発展させられるのかどうかは分かりませんけれども、砺波市も気候非常事態宣言を行い、ふさわしい行動計画をつくり、市と事業者、市民が一体となっての取組ができるように周知をしていただきたい。

夏野市長 本市での地球温暖化対策の取組といたしましては、御紹介もありましたが、砺波市環境基本計画に基づき、県の取組とも歩調を合わせて、マイバッグ運動をはじめ、防犯灯のLED化など省エネルギーの推進、それから、公共施設等への太陽光、小水力、地中熱など再生可能エネルギーの導入を促進してきております。

 さらに、森林の整備や緑化の推進をはじめ、生ごみ処理容器等の購入に対する補助、不燃ごみの再資源化など、温室効果ガス削減に向けた対策、施策について、市と事業者、市民が一体となって積極的な取組を実施していっているほか、今後、剪定枝についてのリサイクルなども検討していくこととしております。

 御提案の気象非常事態宣言につきましては、昨年11月に国会において宣言の決議がなされたほか、一部の自治体でも宣言が出されるなどの動きが始まっております。

 本市では、令和5年度に第2次砺波市環境基本計画の策定を予定しておりまして、これまで進めてきた施策の一層の推進、さらには、より効果的な施策の研究を行いますとともに、新しい計画を策定する中で、2050年二酸化炭素排出量実質ゼロの表明ですとか、気候非常事態の宣言なども検討していきたいというふうに考えております。

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