不登校未然防止及び不登校児童生徒支援の方策(案)について  2022年1月27日  

2022年01月27日 15時18分32秒 by

不登校未然防止及び不登校児童生徒支援の方策(案)について  2022年1月27日
 
 学校に行けない児童生徒について、解消すべき「対策」の対象と見るのではなく、成長途上にある「支援」すべき人間として捉え直すようになってきた。その流れを反映した方策であると評価したいところだが、ひっかかるところがある。それは、子ども・児童生徒について権利を持った主体である、といまだにはっきり記述していない点である。
 方策策定の趣旨では「ナゴヤ子ども応援大綱」を引用しているが、そこに記載されている、子どもは「権利ある主体」との引用はない。「子どもの主体性」とか「子ども中心」とは言うが、「子どもの権利」という言葉は避けられている。「応援大綱」だけでなく市議会が制定した「なごや子どもの権利条例」も踏まえ、「子どもの権利保障」という観点を方策の基本に据えるべきである。「子どもの権利擁護」こそが学校と教育委員会の最重要課題である。
 子どもを過度の緊張感から解放し、安心して学校を休む権利、自分らしく生きられる権利、学校強制ではない教育を受ける権利、などを保障する立場にたち、学校以外での様々な学びの場を認め、多様な学習の場を公的に支援するべきである。
不登校についてのこの方策案を、子どもたちにわかりやすいように伝え、子どもたちの意見を聞き、方策に反映させることが必要である。「子どもの意見表明権」を保障し、ていねいに方策を練り上げていくべきである。教職員の意識改革では、「人権意識」一般ではなく「子どもの権利条約」「なごや子どもの権利条例」について学ぶことを明記すべきである。
方策の目標に「不登校児童生徒が減少すること」を掲げて良いのだろうか。いじめ対応でもそうだが、ゼロにすることを目標にすると成果目標の数字にしばられ,現状を隠す結果を招くことがしばしばある。この方策案には数値目標こそ掲げてはいないが、減少することは対策の結果であり、直接の目標ではない。支援の拡充こそ新たな方策の柱であることが見失われる恐れがある。「不登校児童生徒が減少すること」は目標から削除すべきである。
未然防止策の鍵は、魅力ある学校づくり、である。そのためには、少人数学級の推進が必要である。様々なメニューも必要だが基礎的な教育条件の整備にこそ力を注ぐべきである。
適応指導では実定員10人に少なくとも2人程度の指導員が望ましい、とある。通常の教室でも、一日あたりのコマ数制限など、教員が子どもたちに余裕を持って接することが可能になるよう勤務環境を改善するべきであり、そこを避けていては未然防止にならない。
 適応指導センターの相談員不足、サテライトの追加整備は深刻な課題であり、対応をできるだけ急ぐべきである。あわせて「適応相談」という名称は、子どもに問題がある、というイメージが強すぎる。例えば、子どもの居場所相談センターとか変更できないだろうか。
 スクールカウンセラーやソーシャルワーカーなど教育福祉の分野を担う職員は、任期付きの働き方となっており経験の蓄積が十分にできない。雇用環境の改善が急務である。あわせて心理的な面だけでなく経済的な支援が必要な家庭への対応も方策に記載すべきである。

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