6月17日、6月議会本会議で次のように質問しました。(その3)
境きんご 不登校について質問します。
子どもの不登校はこの10年で3倍と急激に増加し、全国では35万人近くになり、これまで少なかった小学校低学年でも増えていると報告されています。
先月行われた、日本共産党地方議員団による県との交渉においても、不登校は「右肩上がりに」増えているとの回答がありました。また当市でも、どれだけの不登校が居られるかと訊ねましたが、数については答えられないが、近年増えているのは全国の傾向と同じである、とのことでした。
いま、子どもや保護者、行政と関わる民間の皆さん等が一体になって不登校に向き合い施策を進めていく事が大変重要になっていると考え、いくつかの質問と要望を行います。
1)不登校をどう考えるか?
境きんご まず最初にお聞きしたいのは、不登校に対する考え方です。
さまざまな理由で「さみだれ登校」や「不登校」になっている子どもさんが増えていますが、不登校は、子どものせいではないと思います。しかしいまだに「不登校」を子どもの怠けや弱さと捉えたり、関わる人たちの甘やかしのせい、だとする論調もあります。
あるいは、「不登校」はあるべき状態では無いので、何とか登校を促し、他の子どもたちと一緒に過ごせるようにすべき、との社会的な意見や働きかけもあるようです。
その為「学校に行けない自分は生きる価値がない」と自分を責めたり、「元気に学校に通えるように子どもを育てる能力が無い」と子育てに不安を抱くなど、子ども達や保護者がつらい思いをして日々を過ごすことにもなりがちです。
一昨年に、当事者ニーズ全国調査(不登校のこどもの育ちと学びを支える当事者実態ニーズ全国調査:特定非営利活動法人 多様な学びプロジェクト)が行われました。
18歳以下の「不登校」もしくは「さみだれ登校」の子どもたち、その保護者、19歳以上の不登校を体験した方達を対象として行われたアンケート調査ですが、その子どもの回答では、「学校に来て、行きなさい、どうしたら来れる?」と登校を促すようなことを言わないでほしい」と多くの子どもが答えています。
私は、不登校は心が傷ついている子どもの表現であり、しっかり休むことが許され、「ありのままの自分で大丈夫」という自己肯定感をはぐくむことのできる環境が必要だと思います。「さみだれ」ながらなんとか登校した子どもに最下位の評価が並んだ通知表を示すことが、子どもを励ますことになるのか疑問なこともあります。
子どもたちが、いつも登校を迫られていると感じることなく日々を過ごせる関りが重要だと考えますが、市はどう考えておられるかお聞かせください。
教育長 本市では、まずは、一人一人の不安や困り感に気付き、その気持ちを受け止めながら、保護者や児童生徒に寄り添った支援を行うことが重要だと考えており、教室になかなか入れない児童生徒には、フリースクールの活用や教室外の部屋での学習など、多様な学びの場を確保し、学びたいと思ったときに安心して学べる環境を整えております。
これからも、全ての児童生徒が安心できる居場所づくりのために、学校、保護者、地域、行政、フリースクール等と連携しながら、一人一人に応じた支援に努めてまいります。
2)子どもに寄り添ったかかわりを
境きんご 先の全国ニーズ調査では、子どもは「不登校を認められる・理解される」ことがいちばんうれしかったとあります。子どもと同じ目線で話をする関係性を広げ、子どもの思いをまるごと受けとめ、子どもの休息と回復を温かく見守り、子どもの安心を増やす関りが大切なのだと思います。
全国ニーズ調査では、19歳以上の不登校経験者にもアンケートを実施しています。
振り返ってみて不登校の経験が良かったか良くなかったかを問う設問では、「良かった」「まあまあよかった」との回答が、不登校を「理解者してくれる者が居た」とする人の場合は46%で、「あまり良くなかった」「良くなかった」の26%より断然多くなっていますが、「理解者が居なかった」とする人では「良かった」「まあまあよかった」と答える人が25%に半減しています。
また不登校の経験が社会に出た時に有利になったか、活かせているかとの設問で「すごくあった」「少しはあった」という回答が、理解者が居たという人では70%なのに対し、理解者が居なかったという人では43%であり、経験が全く役に立たなかったとする回答が6割近くになっています。
理解されている、と感じられる環境の重要さを示していると思われます。学校全体を「居場所にする」など、新たな取り組みをしておられますが、今後さらに子どもたちがありのままで受け入れられていると感じられる学校を作っていくため、どのようなことが必要と考えておられるかお聞かせください。
教育委員会事務局長 本市では、令和4年度から、「誰一人取り残さない学校づくり」を目標に掲げ、校長同士が学校運営について学び合っており、加えまして、昨年度から、 児童生徒の心理的安全性を確保するため、学校全体を「教育支援センター」と位置づけ、誰一人取り残さない「居場所」を設けております。
また、市内の小学校では、「全校道徳」など、1年生から6年生までの児童が小グループを作って、一つの課題について意見を出し合う取組を実施しております。
これは、1年生や特別な支援を必要とする児童でも、自由に意見が出せるように、高学年の児童が工夫をしながら、活発に意見交換をするもので、この取組により、仲間に寄り添い、他者を受け入れようという気持ちが児童の中に生まれてきています。
このように、お互いを認め合う雰囲気を学校全体に作ることが重要な要素であり、学校が、すべての児童にとって受け入れられていると感じられ、そして、安心できる居場所になるものと考えております。
3) 保護者への支援
境きんご 子どもの休息と回復を支えるには、保護者への支援が必要と考えます。保護者は子どもの不登校に戸惑ったり、「育て方に問題があるのでは」という自己責任論に傷つくこともあります。子どもの見守りや相談などの負担も大変ですし、「不登校離職」などで収入が減り、外出や学びなどの支出が増え、経済的困難に直面しているご家庭も多いのではないでしょうか。
当事者ニーズ全国調査の保護者へのアンケートでは、不登校をきっかけに4割は世帯年収が減ったと答え、95%の保護者は支出が増えたと回答しています。
そこで、保護者が安心して子どもに寄り添えるよう、いくつかの質問と要望を行います。
・多面的な情報の窓口を
不登校に直面した保護者に、適切な情報が伝わることは重要です。学校での受け入れ体制や、フリースクールの状況、医療機関の紹介など、助けになる情報にたどり着きやすい窓口が必要です。どこにどんな相談をすればいいのか、と悩んでいる保護者に、いわばプッシュ型のように声がかかる体制が大切と考えますが、どのような対応を考えておられるかお聞かせ下さい。
・親の会の組織・支援を
不登校の親同士が悩みを語り合い支えあう事は、子どもへの理解を深める機会にもなり、また行政が当事者の声をつかむうえでも大切な事と考えます。親同士が交流し、安心できるネットワークを構築できるよう支援していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
・フリースクール費用の軽減を
当事者ニーズ調査によれば、不登校の保護者の行政に対する要望で最も多かったのは、「フリースクールなど学校以外の場が無料、または利用料減免になること」で7割以上の方が望んでいます。
現在は、県より上限を1万5千円として利用料の半額が助成され喜ばれています。あるフリースクールでは、この補助があったので、一年運営を続けてこられたと述べておられます。しかし複数の施設を利用して居られるご家庭もあり、補助を受けても負担感は大きいと思われます。さらなる支援を求めるものです。
とりわけ、例えば就学援助の対象となっている経済的に困難な家庭については、公の支援で無償化すべきではないでしょうか。
・介護休業の対象であることの周知
不登校は介護休業の対象になります。付き添い・見守りや送り迎えなどで、保護者の通常の就業が困難になることもあります。対象となることを周知していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
以上保護者支援について列記しましたが、考えをお聞かせいただきたいと思います。
教育委員会事務局長 悩んでいる保護者への相談対応につきましては、本市では、砺波市教育支援センター「ひよどり」を設置し、不登校児童生徒一人一人の状態に応じた支援や保護者の相談に対応しております。
さらに、市内のフリースクールの説明会や情報交換会等を開催し、関係機関や学校へ取組を周知することで、困っている保護者へ情報提供が行えるようにしております。
親の会につきましては、市内のフリースクールでは、定期的に開催しているところがあり、保護者同士が支え合う場になっておりますので、周知してまいりたいと考えております。
フリースクールの費用軽減につきましては、現在のところ、就学援助対象者も含め支援の予定はありませんが、県の「フリースクール等通所児童生徒支援事業」の補助金制度を活用いただきたいと考えております。
介護休業の対象であることの周知につきましては、不登校が疾病等に起因し、常時、介護が必要であることを確認できれば、取得することができるものであることの周知を図ってまいります。
4)過度な競争と管理をやめ、子どもを人間として大切にする学校を
境きんご 最後に学校での教育の在り方について質問します。
不登校の急増は、ギスギスしてきた学校の在り方が関係していると指摘する声もあります。
当事者ニーズ全国調査では、子どもの「学校に行きづらいと思い始めたきっかけ」の上位三つは「先生との関係」「勉強はわかるけど授業が合わない」「学校のシステムの問題」と学校関係で、保護者に「行政に望むこと」を問う設問では、「学校教員への研修」が70.7% 「学校が変わってほしい」が69.8%とあります。
私は、教育現場を体験してきたわけではないので、断定的に言う事はできませんが、次のように指摘されていることは気にかかります。
一つは「ゆとり見直し」と言って学習の詰込みがすすめられ、子どもたちには「忙しすぎる学校」になってしまったのではないか。
全国学力テストの復活が、都道府県、市町村、学校を点数競争に巻き込んで、教員生徒双方にストレスを持ち込むことになったのではないか。
教育基本法の改悪で、規律を重んじる事が強調され、子どもが伸び伸びと過ごせない学校になったのでないか。日本共産党が2022年に行った校則アンケートでは、子どもの半分近くが「監視されているようで窮屈」、4人に一人が校則のために「学校に行きたくなくなる」と答えています。
そして教員不足、教員の多忙化です。「先生は忙しそうで、相談しようとしても声をかけづらい」との保護者の声を聞きました。
学校の在り方と不登校の急増について、教育長の見解をうかがい質問を終わります。
教育長 児童生徒が安心して登校し、主体的に学ぶことができる学校にするために、本市では、自立した学習者の育成に向けて、授業改善を進めております。
これは、教員が一方的に教え込むのではなく、一人一人の児童が課題解決に向かって学び方を選択し、学習を主体的に進めていけるように授業を工夫しているものであります。
また、授業改善にあたっては、若手教員でも、自由に相談できる職員室づくりに努めており、先日、教育センターが、今年度の新規採用の教員と面談を行った際には、すべての教員が、「職員室は温かい雰囲気で、相談しやすい」、と答えております。
本市でも不登校の児童生徒は増加傾向にありますが、中には、普通教室に戻って、一緒に授業を受けている児童生徒もおります。
まずは、温かみを感じる職員室づくりに努め、教員が安心感とゆとりを持つことで、児童生徒の学習の状況を把握し、一人一人に合った支援を行うとともに、学校の良い雰囲気づくりが、結果として、不登校の児童生徒の減少に繋がるよう、引き続き努めてまいります。