請願



北川真知子議員の討論
日本共産党の北川真知子です。
私は、議案第62号 議案第63号 議案第67号に反対します。
議案第62号、R7年度羽咋市国民健康保険特別会計補正予算と議案第63号R7年度羽咋市後期高齢者医療特別会計予算は2026年度から創設される子ども・子育て支援金制度に対応するためのシステム改修費を計上しています。議案自体はシステム改修に関する費用ですが、背景にあるのは、児童手当の拡充、妊娠中、育児中の支援など「子ども・子育て支援金制度」に必要な財源を、医療保険の加入者から支援金として負担してもらうというというものです。18歳以上の加入者の保険料の負担を増やし、しかも、今後3年間は、毎年支援金を引き上げることになっています。市民の望みは高すぎる国民健康保険税の引き下げなど、負担軽減です。国に対して支援制度の撤回を求め、子育て支援の充実は市民の負担増でなく社会保障予算の拡充で進めるべきです。
議案第67条 羽咋市乳児等通園支援事業の整備及び運営に関する基準を定める条例は、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」が施行されたことに伴い、区市町村による認可事業である「乳児等通園支援事業」いわゆる「こども誰でも通園制度」の設置基準を条例により定めるものです。
「孤立する子育ての不安に応え、親の就労にかかわらず、すべての子どもの育ちを応援する」という理念には全面的に同意いたします。しかし、この制度の内容は、あまりにも保育現場の実態を無視し、子どもの命と安全を守る上で大きな懸念があります。以下、反対の理由を2点述べます。
1点目は、保育の質を後退させる危険性があり、子どもの命と安全を守る上で大きな懸念があることです。
「こども誰でも通園制度」の利用は、事業者との直接契約です。預ける園、曜日、時間を決めて定期的に利用する方式だけでなく、スマートフォンのアプリで空き状況を見て、その都度空いている園、時間にスマホから直接申し込む方式が考えられています。
市町村が事業を認可しますが、認可基準は緩く、必要な保育従事者のうち保育士は半分でよいとされています。乳幼児を、事前の面談なしに保育士資格のない人が見ることが可能な仕組みです。直前の予約も可能という制度の下では、アレルギーや発達状況など必要な情報が把握されず、命に関わる事故が起きかねません。保育所における死亡事故の発生は、0歳から2歳児、預け始めの時期が最も多いにもかかわらず、緩い基準での認可が可能です。近年、広がりを見せているスポットワーク(いわゆるスキマバイト)による従事者の雇用も懸念され、子どもの安全が保てるのか強く危惧されます。
また、市から小規模保育事業に支払われる運営費には使途制限がないため、保育士の人件費等、処遇低下のおそれがあることを指摘しておきます。
2点目は、公的保育の非営利原則を弱め、子どもの成長過程に応じた保育の専門性・重要性を軽視している点です。
保育園・幼稚園は、子どもが初めて社会生活を体験する場であり、成長過程に応じた発達を保障するための場です。だからこそ保育士の皆さんは、子どもたちの特性や特徴を踏まえ、最善の保育が子どもたちに行われるよう、その専門性を発揮し、子どもとの安定的・継続的な関わりを重要視していますが、当該制度で、「安定的・継続的な関わりの構築」ができるのか疑問が残ります。
また、人見知りの時期の乳幼児を事前面談もなく単発的に数時間預けることは、子どもにとっては大きなストレスであり、通常保育児への影響も懸念されます。
少子化で子育ての孤立化が進むなか、家庭で育つ3歳未満児への支援を求める声は多く、子供だけでなく親も含めた支援の仕組みづくりが必要であることは確かです。子どもも親も安心できる通園事業のため、保育士の処遇改善と配置基準の抜本的改善を行い、公的保育を拡充することを国に求めることを要望します。
次に請願についてです。
請願第1号 能登半島地震の被災者の医療費負担免除の再開のための財政支援を求める請願が総務民生常任委員会で全委員の皆さんの賛成で採択され、大変嬉しく思います。また、県と国が医療費免除とともに介護保険サービス利用料の免除を含めて再開するよう引き続き要望をしていきたいと思います。
請願第2号 「OTC類似薬の保険適用除外に反対する意見書提出の請願」は、総務民生常任委員会で継続審査とのことです。
OTC類似薬は、関節症、リウマチや喘息、胃炎、各種感染症に用いられるものなど多数にわたります。これらがすべて保険から外され、全額自己負担となると、患者にとっては経済的負担が大きくなります。市内の女性の方も「おなかのがんの治療後ずーっと腸の薬を飲んでいる。この薬が保険から外れると恐怖でしかない。」と大変心配をされています。
医師の団体からも、自己判断で市販薬を購入することによる弊害、病気の早期発見早期治療への影響や薬の飲み合わせによる副作用の出現などなど指摘をされています。
政府、与党は昨日閉会した臨時国会において患者団体や医療団体の反対運動を受けて、OTC類似薬の保険外しを見送りました。その一方で、患者が類似薬の処方を希望する場合、追加負担として「特別の料金」を求めるとの事です。その内容はどのようなものか、今後十分な審議が求められます。
請願者が求めているOTC類似薬の保険外しを行わない様求める本請願は、採択すべきものと考えます。
請願第3号 「加齢性難聴者の補聴器購入に対する助成を求める請願」は、総務民生常任委員会において、継続審査とのことです。委員会では、助成に対して賛成とのご意見とともに、制度創設に向けて検討していこうという積極的なご意見の上での継続審査であったと思います。引き続きご市民のみなさん、行政の皆さん、議会の皆さんに補聴器助成の必要性についてご理解いただけるようつとめてまいります。
以上を持って討論とします。
ありがとうございました。