12月議会報告(3)教員の変形労働制は教育・勤務条件の悪化を招く

2019年12月27日 00時03分22秒 by

境きんご 公立学校教員への「一年単位の変形労働時間制」導入について質問します。今国会で、教職員給与等特別措置法の改正で公立学校の現場に変形労働時間制を導入することが十分な議論も尽くさず可決されましたが、教員や教育関係者の間で怒りと不安の声が広がっています。

教員の長時間労働は依然として深刻で、痛ましい過労死が後を絶たず、その抜本的な解決は喫緊の課題となっています。この法案は「夏休みのまとめどり」によって改善するとしていますが、改善どころか事態を一層悪くするのは明らかだとの批判が寄せられているのです。

給特法によって、残業代の支給が認められず、それで残業の抑制が無くなり今日の教員の長時間労働を招く要因になったと指摘されていますが、その根本的な解決も図らずに、一層の事態悪化を招く恐れのある制度を導入することは大きな問題です。

ILO第一号条約で確立した一日8時間労働という「世界の原則」に反するものです。人間には寝だめ、休みだめは出来ないのに一年を繁忙期と閑散期に分け、かため働きとかため休みで労働時間の帳尻を合わせるという考え方は、そもそも人間らしく働く環境としてふさわしくないと考えます。

山本教育長 法改正の中では、議員ご発言の「一年単位の変形時間労働制」も含まれており、その導入要件を省令で規定することなども盛り込まれております。議員が懸念されていることも含め、動向を注視しているところであります。

境きんご議員 厚生労働省の出した通知には「一年変形労働時間制」は「突発的なものは除き、恒常的な時間外労働はない事を前提とした制度であること」と明記しています。この制度を導入しようとしている教育現場は、恒常的な時間外労働は無いなどと言えるのでしょうか?

厚労省平成30年版「過労死等防止対策白書」によれば、教員の平均実勤務時間は11時間 17分とありますが、厚労省通知によっても前提条件の無い制度を導入しようとしているのです。

また厚労省はガイドラインで「労使協定で定めた時間が業務の都合によって変更をさせることが通常行われるような業務は、本変形労働時間制を運用する余地は無いものであること」と明記されています。学校や子どもの様々な出来事や事故・事件への対応など「業務の都合」によって勤務時間が伸びる事が日常的にある教育現場は、まさに運用の余地は無いのではないでしょうか。

山本教育 協議・解決すべき問題が多数あることから、国及び富山県教育委員会の動向を注視しつつ、県内他市町村教育委員会と連携を図り、対応について検討していくことが必要であると考えております。

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