名古屋市再犯防止推進計画(案)についての意見 2021年12月15日

2021年12月27日 11時08分33秒 by

名古屋市再犯防止推進計画(案)についての意見         2021年12月15日

山口清明

本市の状況について、再犯者の割合が50%を超えている、犯罪をした人の多くが起訴猶予等の処分を受けすぐ地域に戻ってくる、高齢や障害、生活困窮等により支援を必要とする人が少なくない、適切な福祉サービス等をどう提供するかが課題、とする状況把握は共感できる大切な視点である。
しかし、この計画がめざすものを、「犯罪をした人等を支援する仕組みの整備」としている点は十分ではない。それは整備するものが支援の「仕組み」だけで、支援の内容、その質と量が必要なだけ存在しているかを検証しておらず、サービスが十分に存在していることが計画の前提とされているからである。
具体的な施策の展開において、本市の関連施策として41事業が掲げられている。その内訳をみると、「新規」はスポーツ市民局所管の6事業、「拡充」が健康福祉局で1事業、あとは現行事業の「継続」ばかりである。各種サービスと犯罪をした人を「つなぐ」ことは確かに大切だ。しかし、提供される福祉や住宅、児童、就労支援などのサービスそのものが問われなければならない。事業のほとんどが「継続」扱いで十分な支援ができるのか。
サービスにつなぐだけでなく、サービス提供は十分なのか検証し、不十分さを克服することを計画の柱に据えるべきである。再犯防止に必要なのは、高齢や障害、生活困窮等に対応できる適切かつ十分な福祉サービスの提供である。そのうえに、犯罪をした人への専門的で継続的な支援の提供、独自のサポートやサービスのコーディネートを行う、という構成に計画を変えるべきである。

具体的な問題で3点、提案したい。
薬物等の依存症を抱える人への支援について。犯罪をした人を「医療等につなぐ」ことが大きな課題。としている。では治療できる医療機関は十分に存在するのか、専門医、専門的支援者はどれだけいるのか、十分なのか、増やす必要はないのか、記載すべきである。ダルクが紹介されているがコラムでだけ、計画(案)概要版にはダの字も出てこない。民間団体への評価は簡単ではないがこの分野に欠かせぬ存在であり、ダルクの活動を計画本体にも書き込むべきである。
性犯罪・性暴力についても何らかの記載が必要である。再犯防止の大きな課題であることはまちがいない。依存症を抱える人への支援、精神的な問題等に応じた支援等の両方にまたがる問題だが、独自に検討すべきテーマである。
虐待やDV被害経験者への支援について、精神的な側面は重要だが、貧困との関連などもあり、精神、福祉、経済と総合的な支援が必要と記載すべきである。

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