「地区推薦」を考える

2012年07月03日 23時22分00秒 by

3日、なんとも残念な話が…。
一体、どの時代の選挙かと耳を疑ってしまいませんか。

一色町中心部のA地区で1区、2区の歴代区長OBに案内状が届き、6月26日の火曜日、前区長や町内会長らが20名ほど集まられたそうです。

そこには、次期市議選の予定候補もいて「ぜひ中部地区から」という趣旨の挨拶。
その後、後援会幹部から「区長経験者の皆さんを後援会の幹部として名前を連ねさせてほしい」との提案があったとのこと。しかし、出席者からは「それは困る」との声が上がり、その提案は流れたとか。

出席者したある人は、「多勢の中で、声をあげるのは、勇気のいることだ」「なんの会合か分からずでかけたが、結局、OBの連名で、地区推薦を得たかったのか」「今の時代、こんな選挙をしていてはいかん」と言われました。

言うまでもないが、地区(町内会)というのは、その地区に住居があるというだけの理由で構成される自治会(団体)であるから、思想も宗教も支持政党も候補者も全く様々な方で構成されています。

この地区推薦(自治会が候補者の推薦をする)は、自治会組織が選挙に関わるということで、
公職選挙法違反になりかねないというのが通例。

ある選管のホームページでは「 自治会や町内会は中立な立場であり、
「ぐるみ選挙」といわれるような行為は禁止」
「あらかじめ特定の人を決めておいて、(地区の)会合において決定することは、
一般に選挙運動となり、事前運動の禁止に触れる」などと警告しています。

また、「自治会の全部の世帯からの参加がある総会で、
一人も反対のない全会一致で決定された場合であるなら『地区推薦』という言葉が使える。
しかし、全員参加の総会で全会一致ということはありえないので、
実質的には自治会推薦という言葉は使えない。」ということも、多くの選管の一致する見解です。

さらに問題なのは、その地区には、自分を支持しない人もいるのに、
ひっくるめて推薦を取り付ける行為が、その人を蹂躙し、
その人の気持ちを考えない傲慢な行為だということを指摘したい。
少数の人の気持ちを大切に考えることこそが、政治家として必要ではないだろうか。

合併後の新市で、新しいまちづくりに取り組むべき候補者が、
「地区すいせん」に奔走しているようでは情けないではないか。

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