8月9日、市議会全員協議会が開催され、市長から「PFI事業をいったん凍結し全面的に見直す」との方針が明らかにされました。
吉良支所棟や旧一色支所の解体と跡地への市営住宅建設など進行中の施設も見直しの対象としています。市長は「これまで、情報の公開が不十分で、市民不在のまま進められてきた。市民の意見を伺いながら全面的に見直したい」と述べ、見直し方針を10日にSPCに申し入れ。21日間の内に合意に達しない場合、市は事業の中止を通告することにしています。
大山鳴動ねずみ一匹
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これまで、PFI事業を推進してきた保守系議員らは、「市長選結果は、市民のPFIへの批判ではなく、市長が若い候補だったからだ」「市民の民意を大事にするというが、(議会の過半数がPFI賛成だ)議会の民意をどう考えるか」「事業を凍結したら西尾市の信用が失墜する」「事業を中断し、損害賠償が発生するようなことをしていいのか」などの質問を繰り返しました。
前市政でのPFI事業が市民から批判を受け、民意に沿って見直しをしようとしている市に対し、賛成派議員は、これまでの責任は棚上げしての質問に終始。対して市長は、質問の一つひとつに答弁しました。
前市政では、事前の質問通告に、用意した答弁原稿を棒読みするか、市長が一貫して答弁に立たなかったのと比べると雲泥の差でした。
PFI推進の保守系議員が、どのような批判的論陣をはり追及するのか注目されていましたが、見直し方針をとどまらせるような談論風発・議論百出とはいかず、大山鳴動ねずみ一匹…。議会への報告を終え、見直しの方向へスタート。いよいよ、これからが正念場です。
市も業者も損害を被らない方策を
市が、いったん契約した内容の修正を求めれば、業者に損害賠償が発生するのは当然です。ところが、西尾市方式は包括発注で、事業の積算根拠は曖昧。しかも、SPCからの提案を優先し、市民の願ってもない施設にも市民の税金が投じられています。そもそも、今回の事業をそのまま進めては、膨大な損害を被ることになりかねません。これらも含め、市民参加で見直そうというものです。
豊和グループも真摯な対応を
市長選で市民の審判が下された以上、PFIに反対してきた議員も民意にそって、その姿勢を改めるべきは当然です。さらに、請け負った業者も、市からの見直し提案に真摯に応じ、市民も業者も損害にならない方向の協議をすすめるべきです。SPCの代表企業は市内業者の豊和グループ。PFI西尾市方式は、大手ゼネコンが代表企業でなく、市内業者であることからも、市民の意見を大事にして対応してもらいたいものです。