福井かずのりは2021年12月議会で以下の内容について質問しました。
質問番号 1 番
質問事項 新たな公共交通再編スタートの現状と市民の声について
答弁者 理事兼まちづくり・企業支援課長
質問要旨
山県市は高齢化が進む中、公共交通会議で新たな公共交通の在り方を検討してきました。バスターミナルの移設を契機に、ここを起点に新たな公共交通を再編することとし、美山地域はデマンド型の新規運行、一部神崎線は減便の上で残す。ハーバスの運行地域はカバーできていない地域に巡回線を東西2コース運行する。ただし週2回のみ。岐阜大学病院線を新たに設ける。以上が再編計画の内容で、2年間にわたる実証実験を経て、今年6月のバスターミナル完成により新たな公共交通がスタートしました。そして、11月の議会の全員協議会の場で利用状況の報告がされました。 ハーバス路線は一日25便1605人、神崎バスターミナル線9便263人、市街地巡回線は週2回20便244人、美山デマンド型8便263人など合計で月平均すると2676人の利用がある。また10月から新たに岐阜バスが運行を開始したバスターミナル本巣モレラ土日祝10便が778人あったとの報告でした。
美山地域のデマンド型については、一部神崎線について地元から「定時定路線にしてほしい」との意見が出され、利用状況の結果から減便の上で神崎から谷合経由バスターミナル線が運行されることになりました。 また、ハーバスの巡回線は東西共に「週2回」の運行になり病院への通院を考えると週2回の定曜日では、例えば岐北厚生病院への通院の方にとっては診療科によっては運行のない日もでてきます。
以上を踏まえ、理事兼まちづくり・企業支援課長に3点お伺いします。
1点目、6月開始から現在までの各路線の利用状況の評価について簡潔お願いします。
2点目、例えば、今回の路線の一部ルート追加やバス停の増設などを変更しようとすると、具体的な手続きはどのようなことが必要になるでしょうか。
3点目、美山地域の神崎線は「谷合地区の方の場合は、デマンド型交通は利用できません」そのために「辷石・三日月」地域の方は遠くの谷合バス停まで出てくるしかありませんが、この地域だけ「例外的にデマンド型交通を利用」できるように対応することはできませんか。
質問番号 2 番
質問事項 令和5年度からの水道料金値上げ実施計画に関する今後の検討について
答弁者 水道課長
質問要旨
市が作成した「山県市水道事業経営戦略」では、令和5年から令和11年にかけて「水道料金の50%の値上げ」を計画し、当初令和5年に30%、令和8年に10%、令和11年に10%と3段階で値上げをして、通算で50%の水道料金の値上げをする計画でした。
その理由は
1)人口減少によって水道の利用量が令和元年と比較して市水道・簡易水道の両水道で約14%の減少になること。(一般家庭が両水道とも約85%前後を占める。)
2)高富・美山地区の管路のうち、敷設から30年から35年を経過した管路は、全体の約18%にあたる67キロに及び、これらの取替敷設が今後必要になってくる。これらを勘案すると赤字にはできないので、値上げをして採算を合わせる計画であるとの記述でした。
6月議会では、一般論として公営企業の独立採算の考え方から、受益者負担の原則で一定の水道料金の改定は必要であること。一般会計の持ち出しを増やせば、他の市民サービスの施策ができなくなり、慎重な検討が必要である。他市町村と比較し安い方で値上げ後も上位10位だ。今後は水道事業審議会で審議を重ねながら、慎重に検討していくとの答弁でした。
私は9月議会でさらに具体的な計画の内容を提示し、50%値上げすることで8年後の令和11年度には水道事業は累積の黒字で2億5706万円から、4億7580万円に2億1874万円も利益が増える勘定になること。なおかつその後の投資経費の返済額が12年後には約5800万円、15年後には9500万円減ることになり、その点からも黒字が増え続ける傾向になるとの見通しを示し、50%ではなく圧縮をすべきではないかと質しました。これに対し市長は、「50%値上げありきではない。現時点の計画であり、年度を踏まえて、値上げについては慎重に進めていきたい」との答弁をされました。
そこで水道課長にお尋ねします。
1)計画では当初令和5年から30%値上げ予定でしたが、市長答弁からも起案は大幅な圧縮基調と考えられますが、どの程度を起案提案とするのか。
2)市長のモットーでもある「対話と共感」に即して、市民との対話の場をどのように設ける計画ですか。
3)今後の水道事業審議会の開催計画の予定と、「市民との対話」も踏まえた審議スケジュールをどのように想定されているのか。以上の3点についてお尋ねします。
質問番号 3 番
質問事項 鳥羽川改修で、鳥羽川堤防を1メートル下げる計画について
答弁者 建設課長
私は「鳥羽川改修促進期成同盟」の顧問として、促進による安全確保を進め、
早期実現を願う立場から、この問題を取り上げます。
質問要旨
9月市議会で、富岡橋架け替え工事に伴う、富岡小学校の児童の「通学路の安全対策」について取り上げました。通称「なわて」北側の道路の車道4mと歩道2mの間にガードレール設置の要望についても工事業者が決まり次第、関係機関と協議しながら安全確保対策に努めるとの答弁を頂きました。そしてこの議論の中で、堤防を1メートル切り下げて仮橋を架ける点について尋ねたところ、「仮橋の件で1メートル下げるというのは、現況私もはっきりちょっとお聞きしておりませんでしたが、協議のなかで(県の)河川課とそういう話になったとお聞きしている次第でございます」との答弁をなされました。
実は富岡橋架け替え工事に伴い、県の河川課より工事計画書をいただきました。この中で鳥羽川改修は、5年確率、つまり5年に一度の豪雨洪水に耐えうる基準で改修されること。その際に、現行鳥羽川の川幅を拡張し、河床を下げて流量を確保する。流量とはある断面、流水断面を通って1秒間に流れる水の体積をいうわけですが、そうした計画になっていること。現状約160トンがこの改修工事で220トンに60トン増加することになります。
鳥羽川改修は昭和51年9月豪雨災害を経験し、洪水対策として川幅を広げるとともに、石田川、三田叉川、新川と複雑に合流している河川をスムーズに合流するように工事をはじめられました。今回の流量拡大60トンは5年確率220トンの改修ですが、20年確率の場合の流量は305トンです。220トンの改修では明らかに対応ができません。
そこで建設課長に質問をします。
5年確率の流量計算によると、理論的には堤防高は1メートル下げることになります。あくまで5年確率の場合です。線状降水帯など、近年の豪雨は予測しがたい甚大な被害をもたらしています。わざわざ1メートル堤防を低くすると、甚大被害に際しては「越水」の可能性も出てきます。わざわざ現行の高さの堤防を低くするのではなく、今後の治水対策の観点からも、現行堤防高を維持することが将来の氾濫リスクヘッジにつながると思いますが、見解をお伺いします。
私は「鳥羽川改修促進期成同盟」の顧問として、促進による安全確保を進め、
早期実現を願う立場から、この問題を取り上げます。
通告質問 現行の堤防高を1メートルさげる どう評価するか
県の鳥羽川河川改修計画 1、川幅を広げる (引堤:右岸堤防)
流量159トン→220トン 2、河床を下げる
再質問
- 129年前 明治25年(1892年)10月28日 濃尾大震災 富岡地区全体が
陥没し、鳥羽川では排水機能が失われ、水田約230haが35日間冠
水した。
- 45年前 昭和51年(1976年)9月11日 台風17号による大水害 鳥羽川氾濫
浸水面積が2200ha665万坪井これを契機に鳥羽川改修が始まった。
- 24年前 平成9年(1997年)河川法が改正
<理由> ・住民の参加/・関係地方公共団体の長の意見聴取
- 18年前 平成15年2月28日 鳥羽川改修~鳥羽川づくりワークショップ提言書
ワークショップ(平成13年10月第一回~平成15年2月第9回)
主催 岐阜建設事務所 河川砂防課 高富町役場 都市計画課
第一回ワークショップ 岐阜県建設事務所 河川砂防課長 岩田秀章
「鳥羽川を含めた一連区間の河川改修は、20年に1回の確率で起こる可能性のある洪水に対しても、対応できるように行います」「治水に関する水量など基本的な大枠は本川流量550㎥/Sを確保することと河川整備計画でしていますが、川幅・護岸の形状等については、地域住民の方と意見集約を踏まえ決定する方向である。」との説明があったと記録されています。
平成15年4月01日 山県市合併
この時点で、鳥羽川改修は20年確率で行なう計画であったが、現在は5年確率で改修工事がなされている。 そこで、2点、市長にお尋ねをいたします。
1)市長は20年確率の河川改修計画が、5年確率に変更された事実を、いつの時点で認識されたか。
2)変更に当たっては、市長もご存じのように平成9年に河川法が改正されて、河川法第16条の2において「首長等の意見を聴く」ことになっていますが、平成15年2月28日の提言書の後、4月1日には山県市の合併がありました。したがって改修計画が20年確率から5年確率に変更される際に、県に意見表明をしているはずです。どのような意見表明がなされていますか。
再々質問 なぜ、これをお尋ねするか?
- 5年確率で改修工事が進められているが、20年確率の洪水が来たら、
堤防を1mさげることによって、鳥羽川の越水が起きて、東深瀬、西深瀬に水が直接溢れ出すことになる。昭和51年の再来になる。近年の「線状降水帯」による洪水被害など、気候危機による災害に対する国の「国土強靭化計画」の強化の観点からも、逆行する「改修工事」としか思えない。
- 昔から百間堤と鳥羽川堤防によって、伊佐美地区「遊水地」とされてきた。
百間堤は江戸時代にまでさかのぼる話になる。256号バイパスの道路
整備事業は、この機能を減少させるために私は水害問題を重視している。
仮に20年確率での追加改修計画を行なうとしても「県の工事図面」では、
「河床の法面の根入れが浅く」再改修を考えた工事内容にはなっていない。
- もし、鳥羽川堤防を1mさげたら、百間堤の機能が失われて、椎倉川、鳥羽川の水が、東深瀬に流れこみ、昭和51年9月の時のように、浸水の危険性が増すことが予測される。また、県に対する情報開示請求で、岐阜県では過去に、長良川圏域で河川の堤防を低くする工事の事例はのこっていなかった。つまり、山県市の鳥羽川が初めてということである。
そこで、市長に再々質問をいたします。
- 県の平成15年当時の20年確率での改修計画が、5年確率に変更されたことについて、河川工学上も、いま述べたような疑問や不安があります。
しかし、このようなことに関しては一切市民には説明がされていません。山県市民の命や財産に直接かかわる重要な事業について、県に対して「市民に対する説明会」の開催を求めてほしいと思うが、市長の考えは。
- 20年確率から5年確率への変更に伴う「山県市(市長)の県への「見解」
は公文書として残っているはずです。山県市はどのように了承をしたのか、市民に公表すべきと考えますが、市長の対応についてお尋ねしたい。