2022年9月議会で討論を行いました

2022年09月29日 09時49分12秒 by

福井かずのりは2022年9月議会で以下の討論を行いました。

賛成討論     

議第81号 令和4年度山県市一般会計補正予算 (第4号)

追加上程された、令和4年度山県市一般会計補正予算 (第4号)の賛成討論を行います。

新型コロナの感染予防対策(マスク・手洗い・うがい)の影響もあり、2020年からインフルエンザの流行が抑えられていましたが、南半球のオーストラリアでの4月後半からの報告数が増加し、例年を超えるインフルエンザの流行が予想されています。日本も出入国の規制緩和とともに、国内にウイルスが持ち込まれると予測され、この2年間、国内での流行がなかったために社会全体の集団免疫が低下していると考えられます。そうした中で、コロナワクチン接種との同時接種も可能とされています。11月から12月に流行し、1月から2月がインフルエンザのピークになると予測されています。このような状況下で、市民の健康を考えて「インフルエンザのワクチン接種」が迅速に進むために、

予防接種の補助事業に、1101万円を計上されています。コロナワクチン接種につづき、岐阜県下でも素早い助成対策について、積極的に賛成致します。

 

反対討論    

議第73号 令和4年度山県市一般会計補正予算(第3号)

今回の第3号補正には、私が6月議会の一般質問で取り上げた「猟友会からの要望でもある有害鳥獣の捕獲後の適正処理について」の課題が、名古屋の業者を通じて適正処理できる解決策に実を結びました。そしてそのための「野生鳥獣保管用冷凍庫施設設置工事及び備品購入費」として1892万7千円が計上されています。長年の懸案事項が解決できることになります。

しかしながら、同じ補正予算に、個人番号カード出張申請委託業務として、543万4千円が計上されています。今年6月策定公表された、政府のデジタル庁こどもデータ連携に関し、「こどもに関する各種データの連携に関する留意点(実証事業ガイドライン)」には、子どもや親などが収集されることを望まないデータの抹消や訂正の具体的な仕組みが設けられていないことが判明しました。この問題は私がこの間、EUの事例などを引き合いに、日本のデジタル化における個人情報の扱いに関する憲法上の問題点の指摘が現実のものになっています。

マイナンバーカードで行政手続きができる政府のウエブサイト「マイナポータル」との連携も検討されています。データには学校での健康診断や自宅での学習履歴、生活保護の利用状況や警察からの情報など多くの機微情報を含むため、「究極の個人情報」と言われています。一方で現在、マイナンバーカードを「健康保険証」として実施見込み含めて使用できる岐阜県の医療機関と薬局数は1067件(厚生労働省発表)に対し、県下の病院数6258件・薬局1031件、合計7289件に上り、普及率は14、6%です。免許証につかえる検討もしていますが、マイナンバーカード保有が進まないので、総額1兆4千億円も使って、「マイナポイント20000円分」キャンペーンをして申請手続き体制への費用も全額国の負担で行なっています。その一環として、今回の補正予算には出張受付までする予算計上がされています。

山県市では9月4日現在のマイナンバーカード保有者は12185名で、46.9%とのことでした。6年半かけての実績数字です。しかも、9月22日付岐阜新聞や中日新聞の報道によれば、カード取得率全国平均以上でなければ、23年度に創設予定の「デジタル化の交付金」申請を認めないという制裁にも似た露骨な「脅し」をかけようと検討していることも判明しました。法律に「カード申請は任意」と謳ってあるにも関わらず、個人情報の保護規定も曖昧で、情報の駄々漏れも起こしている一連の「マイナンバー制度とマイナンバーカードの取得事業」を認めるわけにはいきません。

また、この補正予算には、議第79号の和解に関する「弁護士謝礼32万1千円」「和解による国庫補助金返還金12万4千円」も計上されているので、合わせて認めるわけにはいきませんので、「令和4年度一般会計補正予算第3号」に反対します。

議第79号  和解について              

今回の和解のもとになっている事案は、総務省が全国の自治体に対して消防無線のアナログからデジタルへの切り替えを指示し、全国で516件の入札、2700億円が行なわれた中にあって、この内の5割強で談合が成立、2017年2月2日、公正取引委員会が独占禁止法違反で4社に対し総額63億円(富士通ゼネラル48億円、沖電気工業2億円、日本無線1億4592万円、NEC11億円、日立国際電気には排除措置命令も)の追徴金命令を出した談合事件である。

今回の和解案は、山県市が談合事件を契機に違約金規定に基づいて沖電気工業と中央電子を相手に損害賠償を起こした訴訟に関する、岐阜地裁の和解案で山県市に182万円を支払う内容になっている。同じ訴訟を岐阜市は東京地裁に起こしており、東京地裁の和解案は契約額の10%強の内容である。

常任委員会の質疑では、和解金額の積算根拠が報告されたが、私が調査、入手した岐阜市の和解案の内容からすると、182万円の和解金額は10分の1に満たない。岐阜市は代理店の中央電子に賠償請求は不可能と判断し、市の10年間の入札率を根拠に、損害賠償金を算出して談合当事者の沖電気工業に対し、訴訟を起こしている。この岐阜市の基準に照らせば、山県市の10年間の平均落札率から計算しても、和解額は2倍が想定される内容である。

因みに、岐阜地裁に提訴した県下の自治体の和解案では、契約額に対して下呂市は3、31%の1137万円、飛騨市は契約額の2136万円5,71%である。一方で、東京地裁の和解案は、瀬戸内市の契約額の4、01%約1629万円、伊万里市の9,98%、約4717万円を除く7市が全て10,45%から12,51%になっている。この中で岐阜市は、契約額27434,2万円に対し312万3515円の解決金が示され、和解している。

今回の山県市への岐阜地裁の和解案は、他市と比較しても、特に東京地裁と比べても大きな開きがあると言わざるを得ない。ここは簡単に和解に応じるのではなく、検討の余地があるのではないか。

再度、岐阜地裁との協議を行い、その結果は12月第4回定例会でも遅くはない。市民の税金を使ったデジタル無線機器の購入事業に係る訴訟なので、このまま和解に応じる提案には反対する。

認第1号 令和3年度山県市一般会計及び特別会計歳入歳出決算の認定について

常任委員会質疑では、山県バスターミナル整備事業において、平成28年度から令和3年度の総事業費8.9億円のうち、用地買収2,3億円を除く事業費6,57億円の約75%、4,88億円が市内事業者の仕事に繫がったとの説明があり、山県市の循環型事業になったことを確認しました。

また、行政デジタル化事業ではAIスタッフ総合案内サービスやLoGoフォームサービスの導入がされました。デジタル庁と「自治体窓口DX」に取り組む首長が意見交換する初の試みの場で、首長から「DXによる自治体職員の削減を期待する発言が飛び出した」と赤旗7月29日号は内容に触れた報道をしています。質疑では、あくまで職員が主体で、ソフトはあくまでツールとして活用するとの答弁がありました。一般的にデジタル化に反対するものではありませんが、運用の柱になる市民サービスの強化と、職員の役割をしっかりと位置付けて進めていくことが強く自治体には求められます。

一方で決算の成果説明書には、個人番号カード普及促進事業に1077万1千円の歳出が書かれています。2115年10月に初めてマイナンバーが住民票のあるすべての国民等に付番されました。そして翌年1月から行政機関等によるマイナンバーの利用が始まりました。番号法に基づき行政機関等のコンピュータを結ぶ情報提供ネットワークシステムが構築され、2017年11月から本格的に運用されて今年で5年間が経とうとしています。マイナンバーを内容に含む個人情報が「特定個人情報」ですが、マイナンバーによる名寄せは確実に進んでいます。こうしたマイナンバー制度と一体のマイナンバーカードの促進事業には個人情報保護の制度が未確立な中での推進に対し、一貫して反対してきました。これらの事業を含む令和3年度一般会計及び特別会計歳入歳出決算については認めるわけにはいきません。最近の状況は補正予算の反対討論でふれます。

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