時代遅れの「地区すいせん」

2011年01月12日 01時14分00秒 by

11日
午後、議会だより編集委員会。1回目の原稿入れを完了した。
業者のデザイナーに「この部分はおまかせです」なんて部分も結構あり、
若干の未提出原稿もあったが、なんとか無事終了。

町内で、こんな話をもれ聞いた。

今度の選挙にあたって、「地区(大字)推薦をもらえないか」と、
ある議員(町長派)が地区役員に申し出たそうだ。

言うまでもないが、地区(大字)というのは、その地区に住居があるというだけの理由で構成される
自治会(団体)であるから、思想も宗教も支持政党も候補者も全く様々な方で構成されている。

「地区推薦を受けるかどうかで議員が決まってしまう選挙はおかしい」
——以前から一色町でもよく聞く話である。

この地区推薦(自治会が候補者の推薦をする)は、自治会組織が選挙に関わるということで、
公職選挙法違反になりかねないというのが通例。
ある選管のホームページでは「 自治会や町内会は中立な立場であり、
「ぐるみ選挙」といわれるような行為は禁止」
「あらかじめ特定の人を決めておいて、(地区の)会合において決定することは、
一般に選挙運動となり、事前運動の禁止に触れる」などと警告している。

また、「自治会の全部の世帯からの参加がある総会で、
一人も反対のない全会一致で決定された場合であるなら『地区推薦』という言葉が使える。
しかし、全員参加の総会で全会一致ということはありえないので、
実質的には自治会推薦という言葉は使えない。」ということも、多くの選管の一致する見解である。

また、「町及び特定団体から委託又は補助金を受けている団体等を
自己の利益のために不正な方法で利用してはならない」としている。
町長や副町長や議員は、
当然、自己の利益のために、自治会を利用してはいけないと考えるべきではないか。

自治会だけでなく、一般的には補助金について裁量権の余地があり、
地位利用することができるような相手方が対象となるもので、
「老人会」や「商工会」などもあげられている。

・・・なんてことを考え、ブログを書いていたら遅くなってしまった。

地区推薦をもらうために、一生懸命になっている予定候補者に言いたいのは。

「地区推薦」の問題点を知らないで安易に行っているとしたら勉強不足だし、
知っててやっているとしたら確信犯でもっと許されない。

さらに問題なのは、その地区には、自分を支持しない人もいるのに、
ひっくるめて推薦を取り付ける行為が、その人を蹂躙し、
その人の気持ちを考えない傲慢な行為だということを指摘したい。
少数の人の気持ちを大切に考えることこそが、政治家として必要だと思う。

一色で最後の合併への選挙で、候補者になろうとする者が
「地区すいせん」に奔走しているようでは情けないではないか。

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