「境さん!早稲の穂が白くなっとるけど、あれどんな病気け?それとも虫かなんかけ?」と昨日、知人から指摘を受けて「えっ!うちの田んぼけ?」と慌てて確認に行った田んぼの話です。
中身の詰まり初めた穂が頭をそろえてずらりとお辞儀をしているのですが、まだ粒は膨らんではいなくて色も浅い緑色です。ところが畔の縁近くの穂が白く変色していて手前から次の田んぼにまで広がっているではありませんか。
白い穂は穂先から元の近くまできちんと白くなっています。一粒も例外なく白いのです。そんな穂がきれいに並んで白い一帯を形成し、大きな間隔を置かずに次々に飛び火している!これはいったい何だろうか、日に日に広がったらどうしようか、早稲だけならともかく、コシヒカリにまで伝染したら大変なことになってしまう、対策をしなくちゃ!ちょっとよろよろ気味の頭で携帯を取り出し、目の前の稲に似たような症状の病気を検索しました。これだ!という写真になかなか巡り合わないのですが、どうも穂イモチに罹患した穂の写真が一番近いのかな?
そこで営農指導員に連絡です。「早稲がイモチにやられたみたいなんだけど、どんな薬をどんな風に撒けばよいのか、コシヒカリは大丈夫か見てもらえませんか」そう言って診断を頼みながら、イモチに侵された稲を実際には見たことが無いにもかかわらず、もしそうだったらひどいことになるので一刻も早くという思いに迫られ、昼食後、午後一番で農協の資材館に出かけたのでした。この時期に散布できるイモチ対策の薬剤を訊ねたり、手に取って袋を眺めたり。しかしやっぱり買うのは診断後だろう、とどうにか当たり前の判断に戻ることができました。
診断は翌日、私が他市での会議中に行われました。会議が終了して結果はどうだったろうかと考えたとたんに電話が鳴りました。「どうもスズメの仕業のようです」と余計な修飾語の無いストレートな説明でした。「三〇年以上も百姓やっててはずかしくありません!?」とお腹では思っておられたでしょうが、そぶりにも感じさせない対応でした。
それにしても、スズメの仕事ぶり(食べっぷり)は改めて凄い!こんなに規則正しくて緻密な作業を、これだけの範囲にわたってやってのけるというのは、さすがに人間業ではありません。